メルセデスベンツのSUVは、モデル名の頭に「GL」が付きます。
そして「GL」の後には、サイズが小さい順に「A」「B」「C」・・・と続きます。
したがって、「GLA」はメルセデスのSUVの中で最も小さいサイズのSUVで、「GLB」はその次に小さいSUVということになります。
この「GLA」と「GLB」ですが、2020年6月の同じタイミングで「GLA」の日本でのフルモデルチェンジと「GLB」の日本初登場がありました。
そこで今回の記事ではこの2車種を比較してみて、何がどのように違うのかを見ていきたいと思います。
※この記事は2021年4月時点の情報をもとに書いています。
ボディサイズの比較
メルセデスベンツGLAのボディサイズ
- 全長:4,415mm
- 全幅:1,835mm
- 全高:1,620mm
- ホイールベース:2,730mm
- 車両重量:1,710kg
- 最小回転半径:5.3m
現行の「メルセデスベンツGLA」は2014年の発売開始以来の二代目にあたり、日本では2020年6月にフルモデルチェンジが行われました。
2020年6月のフルモデルチェンジでは、それまでのクロスオーバー的なスタイルから一転して本格的SUVのデザインとなり、ベースとなるAクラスとは全く異なるスタイルになっています。
二代目のボディサイズを初代の「メルセデスベンツGLA」と比べると、全長は-15mm、全幅は+30mm、全高は+115mmとなり、SUVとしての存在感が生まれています。
このサイズはコンパクトSUVと呼ばれ、VWのTロック、ティグアン、アウディのQ2、Q3、BMWのX1、X2などと競合するボディサイズになります。
コンパクトSUVは日本の道路事情でも取り回しの良いサイズなので、日本でもこれらの輸入車は人気があります。
メルセデスベンツGLBのボディサイズ
- 全長:4,640mm
- 全幅:1,835mm
- 全高:1,700mm
- ホイールベース:2,830mm
- 車両重量:1,740kg
- 最小回転半径:5.5m
現行の「メルセデスベンツGLB」は2019年6月に欧州で発表され、1年後の2020年6月に日本での販売が開始されました。
「メルセデスベンツGLB」は「メルセデスベンツGLA」と同じプラットフォームで開発されたのですが、ボディサイズを「メルセデスベンツGLA」と比べると、全長は+225mm、全幅は同じ、全高は+80mmとなり、ホイールベースも+100mm長くなっています。
これに伴い、「メルセデスベンツGLB」は「メルセデスベンツGLA」よりも広い室内空間を得ており、3列シート・定員7名を実現させています。
このボディサイズは、BMWのX3、アウディQ5などと競合するボディサイズになります。
エクステリアの比較
メルセデスベンツGLAのエクステリア
上の写真は「GLA 200 d 4MATIC」で、ボディカラーはポーラーホワイトです。
「メルセデスベンツGLA」のボディカラーは、次の7色から選ぶことが出来ます。
- ポーラーホワイト
- デジタルホワイト
- コスモブラック
- デニムブルー
- イリジウムシルバー
- マウンテングレー
- パタゴニアレッド
二代目の「メルセデスベンツGLA」は初代の「メルセデスベンツGLA」からその佇まいを大きく変えています。
初代の「メルセデスベンツGLA」は、Aクラスの車高を少し上げて大口径のタイヤを履かせたような印象でした。
そのため最低地上高は150mmと小さく、全高も1,505と低いクーペタイプのSUVでした。
一方二代目の「メルセデスベンツGLA」は、最低地上高は202mm、全高は1,620mmとなり、SUVとしての存在感を前面に押し出してきました。
足元には18インチのアルミホイールが標準装備され、「AMGライン」(19.1万円)のオプションを選択すると19インチのアルミホイールが装着されます。
「メルセデスベンツGLB」のエクステリア
上の写真は「メルセデスベンツGLB 200 d」です。
ボディカラーはポーラーホワイトで、「メルセデスベンツGLB」のボディカラーは、次の7色から選ぶことが出来ます。
- ポーラーホワイト
- デジタルホワイト
- コスモスブラック
- デニムブルー
- イリジウムシルバー
- マウンテングレー
- ギャラクシーブルー
「メルセデスベンツGLB」は「メルセデスベンツGLA」と同じプラットフォームで開発されましたが、全長・全高とホイールベースを伸ばしており一回り大きなサイズとなっています。
また、Cピラーを立たせて室内空間を大きくとったことにより3列目のシートを装着することが可能になり、定員は7名になっています。
※ただし、3列目のシートは乗車時の安全確保のために、身長168cm以下の乗員のみ使用可能です。
「GLB 200 d」の足元には18インチのアルミホイールが標準装備され、「AMGライン」(19.1万円)のオプションを選択すると19インチのアルミホイールが装着されます。
「GLB 250 4MATIC スポーツ」には、20インチのアルミホイールが標準装備されます。
インテリアの比較
メルセデスベンツGLAのインテリア
「メルセデスベンツGLA」のインテリアで最も特徴的な事は、「10.25インチのコックピットディスプレイ」とMBUX(メルセデスベンツユーザーエクスペリエンツ)やナビゲーションシステムに繋がる「10.25インチワイドスクリーン(タッチスクリーン)」がダッシュボードに並んでいることです。
MBUXは「自然対話式音声認識機能」を備えているので、「ハイ、メルセデス!」と話しかけるだけで、エアコンの設定やナビの検索等をスイッチに触れることなく簡単に行うことができます。
これらの先進的な機能を有しているだけでなく、「メルセデスベンツGLA」のインテリアの質感は全般的に高く、このクラスの輸入車の中ではトップクラスにあります。
なお、上の写真は「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ」(19.6万円)のオプション装着車のため、シートがツートンカラーの本革シートになっています。
メルセデスベンツGLBのインテリア
「メルセデスベンツGLB」のダッシュボードにも、「10.25インチのコックピットディスプレイ」とMBUX(メルセデスベンツユーザーエクスペリエンツ)やナビゲーションシステムに繋がる「10.25インチワイドスクリーン(タッチスクリーン)」が並んでいます。
それに加えて、「メルセデスベンツGLB」のインテリアで最も特徴的なのは、3列シートを有しており乗車定員が7名であることです。
※ただし、3列目のシートは乗車時の安全確保のために、身長168cm以下の乗員のみ使用可能です。
パワートレインの比較
メルセデスベンツGLAのパワートレイン
「メルセデスベンツGLA」のパワートレインは、2リットル直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジンのみになります。
このディーゼルターボエンジンは、最高出力150ps、最大トルク320Nmを発揮します。
ミッションは8速DCTで、駆動方式は4WDになります。
メルセデスベンツGLBのパワートレイン
「メルセデスベンツGLB」のパワートレインは、2リットル直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジンと、2リットル直列4気筒DOHCターボエンジンの2択になります。
2L直4DOHCディーゼルターボエンジンは、最高出力150ps、最大トルク320Nmを発揮します。
2L直4DOHCターボエンジンは、最高出力165ps、最大トルク350Nmを発揮します。
駆動方式はディーゼルエンジンはFF、ガソリンエンジンは4WDになります。
ミッションは、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンともに、8速ATになります。
グレード・価格の比較
メルセデスベンツGLAのグレード・価格
エンジン | グレード | ミッション | 駆動方式 | 車両本体価格 |
2L直4DOHCディーゼルターボエンジン | GLA 200 d 4MATIC | 8速DCT | 4WD | 503万円 |
「メルセデスベンツGLA」には、「GLA 200 d 4MATIC」の1グレードだけが設定されています。
欧州では1.3リットルと2リットルのガソリンエンジンも設定されているのですが、日本ではディーゼルエンジンの1グレードだけです。
車両本体価格は503万円で、「ナビゲーションパッケージ」(19.1万円)と「AMGライン」(28.3万円)のパッケージオプションが設定されています。
この2つのパッケージオプションを選択すると、車両本体価格は550.4万円となりますが、ほとんどの人はこの2つのオプションを選択すると思うので、この価格が実質的な車両本隊価格なのだと思います。
メルセデスベンツGLBのグレード・価格
エンジン | グレード | ミッション | 駆動方式 | 車両本体価格 |
2L直4DOHCディーゼルターボ | GLB 200 d | 8速AT | FF | 518万円 |
2L直4DOHCターボ | GLB 250 4MATIC スポーツ | 8速AT | 4WD | 704万円 |
「メルセデスベンツGLB」には、ディーゼルエンジンの「GLB 200 d」とガソリンエンジンの「GLB 250 4MATIC スポーツ」が設定されています。
注意しなければならないのは、「GLB 200 d」はFFだけの設定であり、「GLB 250 4MATIC スポーツ」は4WDしか設定がないことです。
「GLB 200 d」には「ナビゲーションパッケージ」(19.1万円)と「AMGライン」(28.3万円)のパッケージオプションが設定されています。
「GLB 200 d」でこれらのオプションを選択すると、車両本体価格は565.4万円になります。
「GLB 250 4MATIC スポーツ」では「ナビゲーションパッケージ」の装備は標準装備となるため、パッケージオプションの設定はありません。
先進安全装備の比較
メルセデスベンツGLAの先進安全装備
先進安全装備 | GLA 200 d 4MATIC |
アクティブディスタンスアシスト | 〇 |
アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し検知機能付き) | 〇 |
緊急回避補助システム | 〇 |
渋滞時緊急ブレーキ機能 | 〇 |
アクティブブラインドスポットアシスト(降車時警告機能付き) | 〇 |
アクティブレーンキーピングアシスト | 〇 |
リアクロストラフィックアラート | 〇 |
ドライブアウェイアシスト | 〇 |
アクティブステアリングアシスト | △ |
トラフィックサインアシスト | △ |
※〇=標準装備、△=オプション装備、―=設定なし
「アクティブステアリングアシスト」と「トラフィックサインアシスト」は「ナビゲーションパッケージ」のオプションを選択すると装備される機能です。
メルセデスベンツGLBの先進安全装備
先進安全装備 | GLB 200 d | GLB 200 4MATIC スポーツ |
アクティブディスタンスアシスト | 〇 | 〇 |
アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し検知機能付き) | 〇 | 〇 |
緊急回避補助システム | 〇 | 〇 |
渋滞時緊急ブレーキ機能 | 〇 | 〇 |
アクティブブラインドスポットアシスト(降車時警告機能付き) | 〇 | 〇 |
アクティブレーンキーピングアシスト | 〇 | 〇 |
リアクロストラフィックアラート | 〇 | 〇 |
ドライブアウェイアシスト | 〇 | 〇 |
アクティブステアリングアシスト | △ | 〇 |
トラフィックサインアシスト | △ | 〇 |
※〇=標準装備、△=オプション装備、―=設定なし
「アクティブステアリングアシスト」と「トラフィックサインアシスト」は「ナビゲーションパッケージ」のオプションを選択すると装備される機能です。
燃費の比較
メルセデスベンツGLAの燃費
モード | GLA 200 d 4MATIC |
WLTCモード | 16.5 |
市街地モード(WLTC-L) | 12.8 |
郊外モード(WLTC-M) | 16.5 |
高速道路モード(WLTC-H) | 19.0 |
※単位:km/L
2リットル直4DOHCディーゼルターボエンジンを搭載した「メルセデスベンツGLA」の燃費は16.5㎞/Lとなります。
メルセデスベンツGLBの燃費
モード | GLB 200 d | GLB 250 4MATIC スポーツ |
WLTCモード | 17.5 | 12.0 |
市街地モード(WLTC-L) | 13.6 | 8.8 |
郊外モード(WLTC-M) | 17.0 | 12.1 |
高速道路モード(WLTC-H) | 20.4 | 14.0 |
※単位:km/L
2リットル直4DOHCディーゼルターボエンジンを搭載した「GLB 200 d」の燃費は17.5㎞/Lとなります。
2リットル直4DOHCターボエンジンを搭載した「GLB 250 4MATIC スポーツ」の燃費は12.0㎞/Lとなります。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
「メルセデスベンツGLA」と「メルセデスベンツGLB」は同じプラットホームで開発されましたが、ターゲットとする顧客層が異なっているようです。
「メルセデスベンツGLA」は街乗り中心でクロスオーバー的にSUVを楽しみたい層を、「メルセデスベンツGLB」は悪路走行も含めてSUVとしての機能を求めているファミリー層をターゲットとしているような気がします。
もしもそうであるならば、「メルセデスベンツGLA」には廉価版としてガソリンエンジンのFF車が欲しいところです。
フルモデルチェンジ前の「GLA 180」のようなグレードです。
一方で「メルセデスベンツGLB」には4WDのディーゼルエンジン車が欲しいところです。
それらのグレードが揃えば、かなりのセールスが期待できると思うのですが。
この記事がみなさんのお役に立てばうれしいです。
※「メルセデスベンツGLA」に新しいグレードが設定されました。
※「メルセデスベンツGLB」に新しいグレードが設定されました。