世界各地で人気が高いコンパクトSUVですが、日本ではトヨタのコンパクトSUVヤリスクロスが売れに売れているようです。
ヤリスクロスは2020年8月31日に発表されたのですが、トヨタ自動車によると2020年中の4か月間に約3万2800台を登録したそうです。
その後もヤリスクロスの勢いは止まらず、2021年1月には約9350台を販売しており、あるトヨタ系ディーラーさんによるとヤリスクロスガソリン車の納期は6か月先、ヤリスクロスハイブリッド車の納期は7か月先になるそうです。
そんなに売れているヤリスクロスですから、これから購入を検討する人も多いと思います。
そこで今回の記事では、ヤリスクロスのグレードの違いにスポットを当てて、購入するとしたらどのグレードが良いのかを考えてみたいと思います。
※この記事は2021年4月時点の情報をもとに書いています。
ヤリスクロスのボディサイズ
- 全長:4,180mm
- 全幅:1,765mm
- 全高:1,590mm
- ホイールベース:2,560mm
- 車両重量:1,160~1,505kg
- 最小回転半径:5.3m
ヤリスクロスは同じくトヨタのヤリスと同じプラットフォームを使い開発されています。
しかしボディサイズはヤリスよりも一回り大きく、全長は+240mm、全幅は+70mm、全高は+90となっています。
一方で、ヤリスクロスのボディサイズを他の国産コンパクトSUVと比較してみると、特に全長と全幅がコンパクトに仕上がっていることが分かります。
全長が4,200mmを切る3ナンバーコンパクトSUVはスズキエスクードぐらいで、エスクードの全幅は1,775mmとヤリスクロスを上回ってしまいます。
全幅が1,800mm未満の3ナンバーコンパクトSUVは、日産キックス(1,760mm)、マツダCX-3(1,765mm)、ホンダヴェゼル(1,790mm)などがありますが、これらのSUVはいずれも全長が4,200mmを上回っています。
つまり、3ナンバーコンパクトSUVで全長が4,200mm未満、全幅が1,800未満のモデルはヤリスクロスだけということになります。
モデルチェンジ毎に一回りずつ大型化していくSUVの中にあって、ヤリスクロスのコンパクトさは他のSUVに対して大きなアドバンテージになっていると言えます。
ヤリスクロスのエクステリア
上の写真はヤリスクロス「HYBRID Z」で、ボディカラーは「ブラスゴールドメタリック」です。
ヤリスクロスのボディカラーは、全グレードともに次のモノトーン8色から選択可能です。さらに「Z」「HYBRID Z」「G」「HYBRID G」は、ツートンカラー7組から選ぶことも出来ます。
【モノトーン】
- ブラスゴールドメタリック
- センシュアルレッドマイカ
- ホワイトパールクリスタルシャイン
- シルバーメタリック
- ダークブルーマイカメタリック
- グレイッシュブルー
- ベージュ
- ブラックマイカ
【ツートンカラー】
- ブラックマイカ×ブラスゴールドメタリック
- ブラックマイカ×センシュアルレッドマイカ
- ブラックマイカ×ホワイトパールクリスタルシャイン
- ブラックマイカ×シルバーメタリック
- ブラックマイカ×グレイッシュブルー
- ブラックマイカ×ベージュ
- ブラスゴールドメタリック×ブラックマイカ
ヤリスクロスのエクステリアでグレード毎に異なるのは、アッパーグリルとドア下のモールディングです。
「Z」と「HYBRID Z」のアッパーグリルにはピアノブラックの加飾が施されますが、「G」以下のグレードには加飾がありません。
「Z」「HYBRID Z」「G」「HYBRID G」のドア下には「YARIS CROSS」と書かれたプレートが埋め込まれますが、「X」以下のグレードにはプレートがありません。
また、タイヤとアルミホイールもグレード毎に異なっています。
「Z」と「HYBRID Z」には50タイヤと18インチアルミホイールが標準装備されます。
「G」と「HYBRID G」には65タイヤと16インチアルミホイールが標準装備され、オプションで50タイヤと18インチアルミホイールを選ぶことも可能です。
「X」と「HYBRID X」には65タイヤと16インチスティールホイールが標準装備され、オプションで65タイヤと16インチアルミホイールを選ぶことができます。
エクステリアだけで評価するのであれば、ドア下に「YARIS CROSS」と書かれたプレートがありアルミホイールが標準装備される「G」以上のグレードがカッコいいと思います。
ヤリスクロスのインテリア
ヤリスクロスのインテリアの特徴は、シンプルでオーソドックスだけれども、グレードによってメリハリが付けられている事だと思います。
まず内装色はグレードによって異なり、「Z」と「HYBRID Z」はダークブラウン、「G」以下はブラックになります。
シートの素材や形状もグレードによって異なります。
「Z」と「HYBRID Z」は合成皮革+ツイード調ファブリックでヘッドレストはセパレート型、「G」と「HYBRID G」は上級ファブリックでヘッドレストはセパレート型、「X」と「HYBRID X」はファブリックでヘッドレスト一体型になります。
また、「Z」と「HYBRID Z」の運転席は「6ウェイパワーシート」が装着され、「Z」と「HYBRID Z」の運転席・助手席にはシートヒーターも装着されます。
ステアリングホイールとシフトノブは、「Z」「HYBRID Z」「G」「HYBRID G」は本革巻で、「X」以下はウレタン素材になります。
ダッシュボード周りでは、メーターの種類がグレードによって異なります。
「Z」と「HYBRID Z」は「7インチマルチインフォメーションディスプレイ+オプティトロンメーター」で、「G」以下は「4.2インチマルチインフォメーションディスプレイ+デジタルメーター」になります。
センターコンソール上部にある「ディスプレイオーディオ」の画面は、「Z」「HYBRID Z」「G」「HYBRID G」は8インチ、「X」以下は7インチになります。
インテリアだけで考えるのであれば「Z」を購入したいところですが、ヘッドレストがセパレート型でステアリングホイールとシフトノブが本革巻になる「G」以上であれば、インテリアの上質感は得られると思います。
ヤリスクロスのパワートレイン
ヤリスクロスのパワーユニットは、1.5リットル直列3気筒直噴エンジンと、1.5リットル直列3気筒エンジン+モーターのハイブリッドシステムの2択になります。
1.5リットル直列3気筒直噴エンジンは最高出力120ps、最大トルク145Nmを発揮します。
1.5リットル直列3気筒エンジン+モーターのハイブリッドシステムは、システム最高出力116psを発揮します。
トランスミッションはガソリン車はCVT、ハイブリッド車は電気式無段変速機になります。
駆動方式は、それぞれのパワートレインすべてで「FF」と「4WD」が選択できます。
パワーユニットに関しては、これからのライフスタイルや車の利用頻度を考慮して、ハイブリッドや4WDが必要かどうかを考える必要があります。
毎日通勤で車を使う人であればハイブリッドが良いかもしれませんし、雪道や悪路を頻繁に利用するのであれば4WDが安心です。
街乗りが中心で週末しか車に乗らないのであればFFのガソリンエンジン車で十分かもしれません。
ヤリスクロスのグレード・価格
エンジン | グレード | ミッション | 駆動方式 | 車両本体価格 |
1.5直3直噴エンジン | X”Bパッケージ” | CVT | FF | 179.8万円 |
4WD | 202.9万円 | |||
X | CVT | FF | 189.6万円 | |
4WD | 212.7万円 | |||
G | CVT | FF | 202万円 | |
4WD | 225.1万円 | |||
Z | CVT | FF | 221万円 | |
4WD | 244.1万円 | |||
1.5L直3エンジン+モーター | HYBRID X | 電気式無段変速機 | FF | 228.4万円 |
4WD | 251.5万円 | |||
HYBRID G | 電気式無段変速機 | FF | 239.4万円 | |
4WD | 262.5万円 | |||
HYBRID Z | 電気式無段変速機 | FF | 258.4万円 | |
4WD | 281.5万円 |
ヤリスクロスでは、ガソリンエンジンに関しては4グレード、ハイブリッドエンジンに関しては3グレードが設定され、それぞれのグレードでFFか4WDを選択することができます。
どのグレードにするかは大いに悩むところでありますが、私のように週末の街乗り中心であればガソリンエンジンのFFで十分と割り切り、装備がそこそこ充実していて、先進安全装備のオプションである「ブラインドスポットモニター(BSM)+リヤクロストラフィックオートブレーキ」を選択できる「G」がコストパフォーマンスが高いように思えます。
オプションとしては、ディーラーオプションの「ナビキット」(6.6万円~11万円)、先進安全装備の「ブラインドスポットモニター(BSM)+リヤクロストラフィックオートブレーキ」(4.9万円)、車を真上から見るように周囲を確認できる「パノラミックビューモニター」(3.3万円)などは付けたいところです。
これらの「G」グレードを選択してこれらのオプションを付けると車両本体価格は「202万円+14.8~19.2万円」=216万円~221.2万円となります。
ヤリスクロスの先進安全装備
先進安全装備 | Z HYBRID Z |
G HYBRID G |
X HYBRID X |
X “Bパッケージ” |
プリクラッシュセーフティ(歩行者(昼夜)自転車運転者(昼)検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式) | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
レーントレーシングアシスト(LTA) | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付) | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
アダプティブハイビームシステム(AHS) | △ | ― | ― | ― |
オートマティックハイビーム(AHB) | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
ロードサインアシスト | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
先行車発進告知機能 | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
セカンダリーコリジョンブレーキ | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ(静止物)) | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
ブラインドスポットモニター(BSM)+リヤクロストラフィックオートブレーキ(パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)) | △ | △ | ― | ― |
車両接近通報装置 | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
パノラミックビューモニター | △ | △ | △ | ― |
バックガイドモニター | 〇 | 〇 | △ | △ |
※〇=標準装備、△=オプション装備、―=設定なし
トヨタの「予防安全パッケージ」である「Toyota Safety Sense」が、アダプティブハイビームシステム(AHS)を除いて「X “Bパッケージ”」以外のグレードに標準装備されます。
「Z」「HYBRID Z」であれば、オプションを選択することで、全ての先進安全装備を装着することができます。
アダプティブハイビームシステムのオプションは9.9万円、パノラミックビューモニターのオプションは「Z」「HYBRID Z」「G」「HYBRID G」は3.3万円、「X」以下は4.95万円、バックガイドモニターのオプションは1.65万円となります。
ヤリスクロスの燃費
ハイブリッド車
モード | HYBRID Z | HYBRID G | HYBRID X | |||
FF | 4WD | FF | 4WD | FF | 4WD | |
WLTCモード | 27.8 | 26.0 | 30.2 | 28.1 | 30.8 | 28.7 |
市街地モード(WLTC-L) | 29.4 | 26.4 | 31.2 | 28.5 | 31.4 | 29.5 |
郊外モード(WLTC-M) | 29.9 | 27.2 | 33.0 | 29.9 | 33.5 | 30.9 |
高速道路モード(WLTC-H) | 26.1 | 25.1 | 28.2 | 26.7 | 29.0 | 27.1 |
※単位:km/L
燃費に関しては、装備が簡素化されて車両重量が軽い「HYBRID X」が有利になります。
また、「4WD」よりも車両重量が軽い「FF」が有利になります。
ガソリンエンジン車
モード | Z | G | X X”Bパッケージ” |
|||
FF | 4WD | FF | 4WD | FF | 4WD | |
WLTCモード | 18.8 | 17.4 | 19.8 | 18.2 | 20.2 | 18.5 |
市街地モード(WLTC-L) | 14.4 | 13.5 | 15.0 | 14.0 | 15.3 | 14.2 |
郊外モード(WLTC-M) | 19.7 | 18.0 | 20.8 | 18.9 | 21.3 | 19.3 |
高速道路モード(WLTC-H) | 21.1 | 19.3 | 22.2 | 20.4 | 22.5 | 20.6 |
※単位:km/L
ガソリン車の燃費に関しても、装備が簡素化されて車両重量が軽い「HYBRID X」が有利になります。
また、「4WD」よりも車両重量が軽い「FF」が有利になります。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ヤリスクロスは、ボディがコンパクトな割に前後部座席の居住性が良く、ラゲッジルームも広くなっています。
さらに上位クラスは、装備が充実していている割に価格も抑えられていることなども評価されています。
「ハイブリッド」か「ガソリンエンジン車」か、「FF」か「4WD」かに関してはそれぞれのカーライフに照らし合わせて判断する必要がありますが、グレードに関しては「G」「HYBRID G」から選ぶとコストパフォーマンスが高いように思えます。
あとは、実際に試乗をしてみて、取り回しや走りの部分を確認する必要がありますね。
この記事がみなさんのお役に立てばうれしいです。