ハリアーの初代モデルは1997年に販売が開始され、現行モデルである四代目は2020年6月にフルモデルチェンジが行われています。
実はハリアーの初代モデルと二代目モデルは、海外では「レクサス」ブランドの「RX」として販売されていました。
しかし三代目からはトヨタの国内専売モデルとなり、「レクサス」ブランドとは別の道を歩んでいます。
そんな過去を持つクロスオーバーSUVのハリアーですが、昨年のフルモデルチェンジ以降販売が絶好調のようです。
2021年に入っても、1月に9,177台を売り上げて国内の全車種中第4位になり、その翌月の2月にも8,006台を売り上げて全車種中第5位になりました。
こんなに売れているハリアーですから、どんなSUVなのか興味が湧きますよね。
そこで今回の記事では、ハリアーとはどんな車なのか、さらに購入するとしたらどのグレードが良いのかを考えてみたいと思います。
※この記事は2021年4月時点の情報をもとに書いています。
ハリアーのボディサイズ
- 全長:4,740mm
- 全幅:1,855mm
- 全高:1,660mm
- ホイールベース:2,690mm
- 車両重量:1,530~1,690kg
- 最小回転半径:5.5~5.7m
ハリアーのボディサイズは全長:4,740mm、全幅:1,855mm、全高:1,660mmで、三代目と比較すると全長:+35mm、全幅:+20mm、全高:-30mm、ホイールベース+30mmとなり、より精悍でシャープな印象を与えるフォルムになりました。
ただし、日本の道路事情を考えると、全幅1,855mmというのはストレスを受けずに運転できるギリギリの大きさかなと思います。
ハリアーの現行モデルはトヨタのRAV4と同じプラットフォームを採用しており、ハリアーとRAV4のサイズ感はほぼ同じです。
ハリアーは同じトヨタ内でRAV4と競合しないのかと思ってしまいますが、どうやらハリアーは街乗り主体のクロスオーバーSUV、RAV4はオフロード性が強い本格的なSUVというすみ分けができているようです。
トヨタRAV4の他にも、日本国内ではスバルフォレスター、マツダCX-5、ホンダCR-V、レクサスNXなどと競合するボディサイズです。
ハリアーのエクステリア
上の写真はハリアー「レザーパッケージZ」で、ボディカラーは「プレシャスブラックパール」です。
ハリアーのボディカラーは、次の7色から選ぶことが出来ます。
- プレシャスブラックパール
- センシュアルレッドマイカ
- ブラック
- ダークブルーマイカ
- ストレートグレーメタリック
- ホワイトパールクリスタルシャイン
- スティールブロンドメタリック
ハリアーのエクステリアの特徴はそのクーペスタイルにあるのですが、四代目になってさらに低くスタイリッシュになっています。
ハリアーのエクステリアで感心したのは、リアのデザイン処理が優れているということです。
幅の狭いテールランプを横一文字に繋げることで、引き締まった印象を与えています。
また、リアルーフスポイラーの張り出しを強調することで、クーペフォルムにスポーティーさを加えています。
そのリアルーフスポイラーですが、グレードによってカラーリングとストップランプの形状が異なっています。
「Z」「レザーパッケージZ」のリアルーフスポイラーはボディと同色に塗装され、LEDハイマウントストップランプが「ロングタイプ」になります。
「G」「レザーパッケージG」「S」のリアルーフスポイラーはブラックに塗装され、LEDハイマウントストップランプは「ノーマルタイプ」になります。
フロントとリヤのバンパーに関しては、「Z」「レザーパッケージZ」「G」「レザーパッケージG」のフロントバンパー・リヤバンパーはメッキ加飾がされますが、「S」には加飾がありません。
足回りでは、グレードによってタイヤとアルミホイールが異なっています。
「Z」と「レザーパッケージZ」は、55タイヤで19インチアルミホイールが装着されます。
「G」と「レザーパッケージG」は、60タイヤで18インチアルミホイールが装着されます。
「S」は、65タイヤと17インチアルミホイールが装着されます。
ハリアーのインテリア
ハリアーのインテリアでまず目につくのは、センターコンソールの独特な形状とカラーリングです。
このセンターコンソールは馬の鞍をイメージしたとのことですが、好き嫌いが分かれるポイントになるかもしれません。
センターコンソール上部には12.3インチのワイドタッチディスプレイがあり、ナビゲーションシステムとオーディオの機能が提供されます。(「Z」「レザーパッケージZ」には標準装備。「G」「レザーパッケージG」はオプション:36.96万円。)
センターコンソール以外の部分に目を向けてみると、フロント周りやドアの部分にステッチが施されており、質感が高いことが伺われます。
「レザーパッケージZ」「レザーパッケージG」を選ぶと、シートが本革になるだけでなく、ステアリングヒーター・助手席パワーシートなども標準装備になります。
メーター周りでは、「Z」「レザーパッケージZ」「G」「レザーパッケージG」のTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイのサイズが7.0インチの大型サイズになります。(「S」は4.2インチ)
また、「Z」「レザーパッケージZ」では、カラーヘッドアップディスプレイが標準装備されます。
ハリアーのパワートレイン
ハリアーのパワーユニットは、2.0リットル直列4気筒エンジンと、2.5リットル直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドシステムの2択になります。
2.0リットル直列4気筒エンジンは最高出力171ps、最大トルク207Nmを発揮します。
2.5リットル直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドシステムは、システム最高出力が4WDは222ps、FFは218psとなります。
トランスミッションはガソリン車はCVT、ハイブリッド車は電気式無段変速機になります。
駆動方式は、それぞれのパワートレインで「FF」と「4WD」が選択できます。
ハリアーのグレード・価格
エンジン | グレード | ミッション | 駆動方式 | 車両本体価格 |
2.0直4エンジン | S | CVT | FF | 299万円 |
4WD | 319万円 | |||
G | CVT | FF | 341万円 | |
4WD | 361万円 | |||
レザーパッケージG | CVT | FF | 371万円 | |
4WD | 391万円 | |||
Z | CVT | FF | 393万円 | |
4WD | 413万円 | |||
レザーパッケージZ | CVT | FF | 423万円 | |
4WD | 443万円 | |||
2.5L直4エンジン+モーター | S | 電気式無段変速機 | FF | 358万円 |
4WD | 380万円 | |||
G | 電気式無段変速機 | FF | 400万円 | |
4WD | 422万円 | |||
レザーパッケージG | 電気式無段変速機 | FF | 430万円 | |
4WD | 452万円 | |||
Z | 電気式無段変速機 | FF | 452万円 | |
4WD | 474万円 | |||
レザーパッケージZ | 電気式無段変速機 | FF | 482万円 | |
4WD | 504万円 |
ハリアーでは、ガソリンエンジンに関しては5グレード、ハイブリッドエンジンに関しては5グレードが設定され、それぞれのグレードでFFか4WDを選択することができます。
どのグレードにするかは大いに悩むところでありますが、私のように週末の街乗り中心でたまに遠出をする程度であれば、ガソリンエンジンのFFで十分かもしれません。
毎日通勤で車を使う人であればハイブリッドが良いかもしれませんし、雪道や悪路を頻繁に利用するのであれば4WDが安心です。
装備に関しては、シートが本革になるだけでなくその他の装備も充実している「レザーパッケージZ」がコストパフォーマンスが高いように思えます。
ステアリングヒーター、助手席の電動シート、ヘッドアップディスプレイ、JBLプレミアムサウンドシステムなど、高級車仕様の装備が標準で装着されます。
ハリアーの先進安全装備
先進安全装備 | レザーパッケージZ | Z | レザーパッケージG | G | S |
プリクラッシュセーフティ(歩行者(昼夜)自転車運転者(昼)検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
レーントレーシングアシスト(LTA) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アダプティブハイビームシステム(AHS) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
オートマティックハイビーム(AHB) | ― | ― | ― | ― | 〇 |
ロードサインアシスト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
先行車発進告知機能 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ITS Connect | △ | △ | △ | △ | △ |
インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ(静止物)) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ブラインドスポットモニター(BSM)+リヤクロストラフィックオートブレーキ(パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)) | 〇 | 〇 | △ | △ | △ |
車両接近通報装置 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
パノラミックビューモニター | △ | △ | ― | ― | ― |
バックガイドモニター | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
※〇=標準装備、△=オプション装備、―=設定なし
トヨタの予防安全パッケージである「Toyota Safety Sense」が全車に標準装備されます。
また、「Z」「レザーパッケージZ」は、オプションでパノラミックビューモニターを選択することもできます。(6.05万円)
ハリアーの燃費
モード | ガソリン車 | ハイブリッド車 | ||
FF | 4WD | FF | 4WD | |
WLTCモード | 15.4 | 14.7 | 22.3 | 21.6 |
市街地モード(WLTC-L) | 11.3 | 11.0 | 19.5 | 18.9 |
郊外モード(WLTC-M) | 15.7 | 14.9 | 25.1 | 24.2 |
高速道路モード(WLTC-H) | 18.0 | 17.1 | 22.1 | 21.4 |
※単位:km/L
燃費に関しては、「2.5L直4エンジン+モーター」のハイブリッド車が有利です。
WLTCモードでFF車が22.3km/L、4WD車が21.6km/Lと、かなり良い数値になります。
ガソリン車に関しては、2.0Lエンジンの標準的な燃費になります。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ハリアーの人気の秘密は、デザインの優秀さとトヨタというブランドに加えて、輸入車やレクサスと同等の装備の車を100万円ほど安く手に入れられることかと思います。
また、価格はガソリン車よりも60万円ほど高くなりますが、走りと燃費を両立させているハイブリッドエンジンも人気の秘密かもしれません。
もしも私がハリアーを購入するのであればガソリン車でFFを選ぶと思うのですが、ハリアーのガソリンエンジンはボディサイズに比べて非力だというコメントをよく見かけます。
あとは、実際に試乗をしてみて、走りや取り回しの部分を確認する必要がありますね。
この記事がみなさんのお役に立てばうれしいです。