Tロックは2017年にフォルクスワーゲン4番目のSUVとして欧州でデビューし、日本では2020年7月に販売が開始されました。
日本向けモデルは、発売当初2リットル直列4気筒ディーゼルターボエンジンのみが搭載されていましたが、2021年5月に1.5リットル直列4気筒ガソリンターボエンジン搭載モデルが追加で発売されました。
今回の記事では、ガソリンエンジンが追加設定されたフォルクスワーゲンの「Tロック」についてご紹介します。
※この記事は2021年5月時点の情報をもとに書いています。
Tロックのボディサイズ
- 全長:4,240mm
- 全幅:1,825mm
- 全高:1,590mm
- ホイールベース:2,590mm
- 車両重量:1,430kg
- 最小回転半径:5.0m
Tロックはゴルフをベースに開発され、ゴルフ、アウディA3等と同じMQBプラットフォームが採用されています。
7代目ゴルフのサイズと比較すると、全長は25mm短いのですが、全幅は25mm、全高は110mm大きくなっています。
フォルクスワーゲンのSUVの中では、ティグアンとTクロスの間に位置づけされています。
欧州市場では、アウディQ2、プジョー2008、ルノーキャプチャーなどと競合するボディサイズです。
一方、日本市場ではホンダヴェゼル、スバルXV、マツダCX-30、などと競合するボディサイズです。
最小回転半径は5.0mと、このサイズのSUVの中では最も小さくなっており、切り返しや車庫入れ時にはライバル車よりも有利かと思います。
Tロックのエクステリア
上の写真はTロックの「TDI Sport」です。
カラーはボディ部分が「ピュアホワイト」でルーフが「ブラック」のツートンカラーになります。
Tロックの「TDI Sport」のボディカラーは、この「ピュアホワイト×ブラック」を含めて次の6色から選ぶことができます。
- ラヴェンナブルーメタリック×ブラック
- ディープブラックパールエフェクト
- ピュアホワイト
- ピュアホワイト×ブラック
- フラッシュレッド×ブラック
- インジウムグレーメタリック×ブラック
※選択可能なボディーカラーはグレードにより異なります。
Tロックのデザインは、ベースとなったゴルフと同様に直線的なラインが強調されています。
日本で販売されるSUVの中でもボディのシャープさが際立っていて、存在感のあるデザインに仕上がっています。
ヘッドライトは「TSI Style」「TDI Style」がハロゲンヘッドライト、それ以外のグレードではLEDヘッドライトが標準装備されます。
ルーフレールは、「TSI Style Design Package」「TDI Style Design Package」「TDI Sport」「TDI R-Line」に標準装備されます。
足回りは、「TSI Style」「TDI Style」は215/60R16タイヤと16インチアルミホイール、「TSI Style Design Package」と「TDI Style Design Package」は、215/55R17タイヤと17インチアルミホイール、「TDI Sport」は215/50R18タイヤと18インチアルミホイール、「TDI R-Line」は225/40R19タイヤと19インチアルミホイールが標準装備されます。
Tロックのインテリア
Tロックのインテリアでも最も特徴的なのは、従来のアナログ式メーターに代わり、大型ディスプレイによる「デジタルメータークラスター」が標準装備されていることです。
このディスプレイには、基本となる速度計とタコメーターに加えて、ナビゲーションモードを選択することにより画面中央にマップを大きく映し出すことが出来ます。
ダッシュボードのカラーは、「TDI Sport」「TDI R-Line」はグレーで、他のグレードはブラックになります。
ただし、「TSI Style Design Package」「TDI Style Design Package」のグレードでボディカラーに「ラヴェンナブルーメタリック」を選択した場合には、上の写真のようにダッシュボードの色が「ブルー」となります。
また、カラーはホワイトのみになりますが、「TSI Style Design Package」「TDI Style Design Package」TDI Sport」「TDI R-Line」にはアンビエントライトが標準装備されます。
シートは「TDI Sport」「TDI R-Line」はスポーツシートになりますが、その他のグレードでは標準的なシートになります。
レザーシートとシートヒーターは、「TDI Sport」にのみオプションで設定されています。
全グレードともにパワーシートの設定は無く、シートの調整は手動式になります。
Tロックのパワーユニット
Tロックのパワーユニットは、次の2択となります。
※2021年5月にガソリンエンジンが追加されました。
- 1.5リットル直列4気筒DOHCターボエンジン
- 最高出力:150ps
- 最大トルク:250Nm
- 2リットル直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジン
- 最高出力:150ps
- 最大トルク:340Nm
駆動方式はFFのみで、トランスミッションは7速DCTになります。
T-ロックのグレード・価格
エンジン | グレード | ミッション | 駆動方式 | 車両本体価格 |
1.5L直4ガソリンターボ | TSI Style | 7速DCT | FF | 355万円 |
TSI Style Design Package | 7速DCT | FF | 376万円 | |
2.0L直4ディーゼルターボ | TDI Style | 7速DCT | FF | 375万円 |
TDI Style Design Package | 7速DCT | FF | 396万円 | |
TDI Sport | 7速DCT | FF | 425.9万円 | |
TDI R-Line | 7速DCT | FF | 459.9万円 |
2021年5月にガソリンエンジン搭載モデルが追加発売されました。
ガソリンエンジン搭載モデルは「TSI Style」「TSI Style Design Package」の2グレード展開です。
ディーゼルエンジン搭載モデルは「TDI Style」「TDI Style Design Package」「TDI Sport」「TDI R-Line」の4グレード展開になっています。
ガソリンエンジン搭載モデルが追加されたことで、これまで「街乗り中心」などの理由でディーゼルエンジンを敬遠していた人も、購入の検討ができるようになりました。
ガソリンエンジンモデルの「TSI Style」と「TSI Style Design Package」の価格差は21万円。
一方「TSI Style」と「TSI Style Design Package」の装備の違いは、先進安全装備では「スタティックコーナリングライト」「ハイビームアシスト」「リヤビューカメラ」の有無、エクステリヤでは「LEDヘッドライト」「フォグランプ」「シルバールーフレール」の有無、装備面では「キーレスアクセス」「パワーテールゲート」「アンビエントライト」の有無等で、21万円以上の装備の違いがあるように思います。
このクラスのSUVとしては価格が高い気がしますが、Tロックのガソリンエンジン搭載モデルでは「TSI Style Design Package」のお買い得感はあるようです。
Tロックの先進安全装備
先進安全装備 | TSI Style | TSI Style Desing Pacage | TDI Style | TDI Style Desing Pacage | TDI Sport | TDI R-Line |
アダプティブクルーズコントロール”ACC”(全車速追従機能付) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
レーンキーピングアシスタントシステム”Lane Assist” | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
スタティックコーナリングライト | ― | 〇 | ― | 〇 | 〇 | 〇 |
ハイビームアシスト | ― | 〇 | ― | 〇 | 〇 | 〇 |
リヤビューカメラ”Rear Assist” | ― | 〇 | ― | 〇 | 〇 | 〇 |
デイタイムランニングライト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ブラインドスポーットディテクション(後方死角検知機能) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ドライバー疲労検知システム”Fatigue Detection System” | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
パークディスタンスコントロール(フロント/リヤ、前進/後退時衝突軽減ブレーキ機能付) | ― | ― | ― | ― | 〇 | 〇 |
オプティカルパーキングシステム | ― | ― | ― | ― | 〇 | 〇 |
リヤトラフィックアラート(後退時警告・衝突軽減ブレーキ機能) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
プリクラッシュブレーキシステム”Front Assist”(歩行者検知対応シティエマージェンシーブレーキ機能付) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
プロアクティブ・オキュバンド・プロテクション | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ABS(アンチロック・ブレーキング・システム) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ブレーキアシスト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Tロックの先進安全装備は、グレードによって搭載される装備に差があります。
350万円を超える価格帯のSUVなので、全ての機能がが標準装備にならなかったことが残念です。
Tロックの燃費
モード | 1.5L直4ガソリンターボ | 2.0L直4ディーゼルターボ |
WLTCモード | 15.7 | 18.6 |
市街地モード(WLTC-L) | 12.1 | 14.9 |
郊外モード(WLTC-M) | 15.9 | 18.5 |
高速道路モード(WLTC-H) | 17.7 | 21.0 |
※単位:km/L
1.5リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンの燃費は15.7km/Lになります。
2リットル直列4気筒ディーゼルターボエンジンの燃費は18.6km/Lになります。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
Tロックにガソリンエンジンモデルが追加されました。
ガソリンエンジン搭載モデルの価格は355万円~376万円と設定されました。
しかしこの価格、法外に高いアウディQ2よりは安いですが、ルノーキャプチャーよりも50万円以上高くなっています。
たぶん278万円~303万円のTクロスや新型ゴルフとの価格差なども考慮した価格設定だと思うのですが、ビミョーに高い気がします。
私はまだTロックに試乗できていないのですが、「ロードノイズを拾う」「エンジン音が入ってくる」というレビューがあることも気になります。
デザインが良いので購入を検討する人は多いと思うのですが、試乗時には遮音性にも注意した方が良さそうです。
この記事がみなさんのお役に立てばうれしいです。