フォルクスワーゲン「Tクロス」は、フォルクスワーゲンのラインナップのなかで最もコンパクトなSUVです。
Tクロスは「ポロ」をベースに開発されており、2019年11月に日本のコンパクトSUV市場に投入されました。
日本では2020年の1年間に8,930台を販売し、2020年の1年間で最も販売台数が多い輸入車SUVとなりました。
発売以来、「TSI Active」と「TSI Style」の2グレードで展開されてきましたが、2021年5月13日に最上級グレードとして「TSI R-Line」が設定されました。
今回の記事では、新たに「TSI R-Line」が設定されたTクロスについてご紹介します。
※この記事は2021年5月時点の情報をもとに書いています。
Tクロスのボディサイズ
- 全長:4,115mm~4,125mm
- 全幅:1,760mm~1,785mm
- 全高:1,580mm
- ホイールベース:2,550mm
- 車両重量:1,270kg
- 最小回転半径:5.1m
Tクロスはポロをベースに開発されました。
Tクロスのボディサイズをポロのボディサイズと比較すると、全長で55mm~65mm、全幅で10mm~25mm、全高で130mmポロのボディサイズを上回っています。
輸入車SUVでは、ルノーキャプチャー、プジョー2008、アウディQ2などと競合するボディサイズです。
国産SUVでは、トヨタのヤリスクロス、日産キックス、マツダCX-3などと競合するボディサイズです。
日本の道路事情を考えると取り回しが良いサイズになります。
Tクロスのエクステリア
上の写真はTクロスの「TSI R-Line」で、ボディカラーは「リーフブルーメタリック」になります。
Tクロス「TSI R-Line」のボディカラーは、この「リーフブルーメタリック」を含めて次の7色から選ぶことができます。
- ピュアホワイト
- ディープブラックパールエフェクト
- ライムストーングレーメタリック
- エナジェティックオレンジメタリック
- マケナターコイズメタリック
- リーフブルーメタリック
- リフレックスシルバーメタリック
「TSI R-Line」には、R-Line専用エクステリア(フロント&リヤバンパー、サイドスカート)が装備されます。
足回りには、215/45R18タイヤと18インチアルミホイールが標準装備されます。
上の写真はTクロスの「TSI Style」で、ボディカラーは「マケナターコイズメタリック」になります。
Tクロス「TSI Active」「TSI Style」のボディカラーは、この「マケナターコイズメタリック」を含めて次の7色から選ぶことができます。
- ピュアホワイト
- ディープブラックパールエフェクト
- ライムストーングレーメタリック
- エナジェティックオレンジメタリック
- マケナターコイズメタリック
- リーフブルーメタリック
- フラッシュレッド
「TSI Active」「TSI Style」では、バンパーとサイドスカートの形状が「TSI R-Line」と異なっています。
足回りは、「TSI Active」が205/60R16タイヤと16インチアルミホイール、「TSI Style」が205/55R17タイヤと17インチアルミホイールとなります。
なお、「TSI Style」の「デザインパッケージ」を選択すると、カラーリングされた専用の17インチアルミホイールが装着されます。
T-クロスのインテリア
Tクロスのインテリアで最も特徴的なのは、従来のアナログ式メーターに代わり、大型ディスプレイによる「デジタルメータークラスター」がオプション設定されていることです。
この大型ディスプレイには、基本となる速度計とタコメーターに加え、ナビゲーションモードを選択すると画面中央にマップが大きく映しだされます。
画面の切り替えは、Tクロスのステアリングホイールのボタンで簡単に行うことができます。
Tクロスのシート等のカラーリングは、「TSI Active」は「チタンブラック/グレー」、「TSI Style」は「チタンブラック/ブラウン」、「TSI R-Line」は「プリントグレー/チタンブラック」になります。
「TSI Style」にはスポーツコンフォートシートが、「TSI R-Line」にはR-Line専用ファブリックシートが装着されますが、シートヒーターやパワーシートは装備されません。
「TSI Style」は「デザインパッケージ」も選択可能
「TSI Style」の「デザインパッケージ」で「オレンジ」「グリーン」「ブラック」のいずれかを選択すると、上の写真のような専用インテリア・エクステリアが装備されます。
Tクロスのパワーユニット
Tクロスのパワーユニットは、ポロにも採用されている「1リットル直列3気筒ターポエンジン」のみとなります。
このダウンサイジングターボエンジンは、1リットルの排気量ながら最高出力116ps、最大トルク200Nmを発揮し、街乗りが中心であれば実力としては申し分ありません。
- 1リットル直列3気筒ターポエンジン
- 最高出力:116ps
- 最大トルク:200Nm
欧州で販売されているTクロスには、「1.5リットル直列4気筒ターボエンジン」と「1.6リットル直列4気筒ディーゼルエンジン」も採用されているのですが、日本では1種類のみが採用されています。
駆動方式はFFのみで、トランスミッションは7速DCTになります。
T-クロスのグレード・価格
エンジン | グレード | ミッション | 駆動方式 | 車両本体価格 |
1.0L直3ターボ | TSI Active | 7速DCT | FF | 278万円 |
TSI Style | 7速DCT | FF | 303万円 | |
TSI R-Line | 7速DCT | FF | 345万円 |
T-クロスには「TSI Active」「TSI Style」「TSI R-Line」の3グレードが設定されています。
「TSI Active」と「TSI Style」の価格差は25万円になります。
「TSI Active」と「TSI Style」の装備における違いは、「TSI Style」には「アダプティブ・クルーズ・コントロール”ACC”(全車速追従機能付き)」が標準装備される他、アンビエンライト、パドルシフト、シルバールーフレール、スポーツコンフォートシートなどが装備されます。
「ナビゲーションシステム」と「セーフティーパッケージ」のオプションを追加すると、「TSI Active」の価格は308.8万円、「TSI Style」の価格は331.6百万円となります。
さらに「デジタルメータークラスター」を装備するために「テクノロジーパッケージ」のオプションも追加すると、「TSI Active」の価格は315.9万円、「TSI Style」の価格は338.7百万円となります。
「TSI Style」の「デザインパッケージ」を選択すると、価格はオプションの内容に応じて、329.4万円~350.85万円となります。
「TSI Style」と「TSI R-Line」の価格差は42万円になります。
「TSI Style」と「TSI R-Line」の装備における違いは、「TSI R-Line」には先進安全装備が全て標準装備となる他、R-Line専用エクステリア(フロント&リヤバンパー、サイドスカート)、R-Line専用ファブリックシート等が装備されることです。
「TSI R-Line」に「ナビゲーションシステム」を装備すると359.3万円、「デジタルメータークラスター」を装備するために「テクノロジーパッケージ」のオプションも追加すると、366.45万円になります。
Tクロスの先進安全装備
先進安全装備 | TSI Active | TSI Style | TSI R-Line |
アダプティブクルーズコントロール”ACC”(全車速追従機能付) | △ | 〇 | 〇 |
レーンキーピングアシスタントシステム”Lane Assist” | △ | △ | 〇 |
スタティックコーナリングライト | 〇 | 〇 | 〇 |
ハイビームアシスト | △ | △ | 〇 |
リヤビューカメラ”Rear Assist” | 〇 | 〇 | 〇 |
駐車支援システム”Park Assist” | △ | △ | 〇 |
デイタイムランニングライト | 〇 | 〇 | 〇 |
ブラインドスポットディテクション(後方死角検知機能) | △ | △ | 〇 |
ドライバー疲労検知システム”Fatigue Detection System” | 〇 | 〇 | 〇 |
パークディスタンスコントロール(フロント/リヤ、前進/後退時衝突軽減ブレーキ機能付) | △ | △ | 〇 |
オプティカルパーキングシステム | △ | △ | 〇 |
リヤトラフィックアラート(後退時警告・衝突軽減ブレーキ機能) | △ | △ | 〇 |
プリクラッシュブレーキシステム”Front Assist”(歩行者検知対応シティエマジェンシーブレーキ機能付) | 〇 | 〇 | 〇 |
プロアクティブ・オキュバンド・プロテクション | 〇 | 〇 | 〇 |
ESC(エレクロロニック・スタビリティ・コントロール) | 〇 | 〇 | 〇 |
ABS(アンチロック・ブレーキング・システム) | 〇 | 〇 | 〇 |
ブレーキアシスト | 〇 | 〇 | 〇 |
※〇=標準装備、△=オプション装備、―=設定なし
Tクロスでは、上級クラスの車種と同等の先進安全機能が用意されています。
「TSI R-Line」では、全ての機能が標準装備となります。
「TSI Active」「TSI Style」では、「セーフティパッケージ」のオプションを選択するとこれらの機能が装備されます。
「セーフティパッケージ」のオプションを選択すると「TSI Active」では30.8万円増、「TSI Style」では28.6万円増になりますが、これらの機能はぜひ装備したいものです。
燃費の比較
モード | T-クロス |
WLTCモード | 16.9 |
市街地モード(WLTC-L) | 13.2 |
郊外モード(WLTC-M) | 17.1 |
高速道路モード(WLTC-H) | 19.1 |
※単位:km/L
Tクロスの燃費は、16.9km/Lになります。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
日本で人気の輸入車SUV「Tクロス」に上級グレード「TSI R-Line」が追加されました。
中間グレードである「TSI Style」との違いは、R-Line専用エクステリア(フロント&リヤバンパー、サイドスカート)が装備されることと、先進安全機能が全て標準装備されることです。
これで「TSI Style」の「デザインパッケージ」に加えて「TSI R-Line」という「スポーツ仕様のモデル」も選択が可能となりました。
「Tクロス」には遊び心は十分にあると思うのですが、やはりライバル車と比べると価格が高いことが残念です。
この記事がみなさんのお役に立てばうれしいです。