海外格安航空券の予約方法と上手な使い方【初めてでも安心・よくわかる】

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JALで東京ーホノルル間を往復する場合の、正規のエコノミークラス普通運賃(IATA運賃)はいくらかご存知でしょうか?

600,000円です。6万円ではありませんよ。60万円です。

でもご安心ください。私たちが休暇のハワイ旅行で利用する海外格安航空券は、時期にもよりますが10万円以下で手に入ります。

それでは、誰がこんなに高い普通運賃の航空券を買うのかというと、仕事で出張をするビジネスマンです。

普通運賃の航空券は、一般的に発券から1年間有効で、どの航空会社でも利用できます。

もちろん搭乗する便の変更もできてストップオーバーも可能。払戻しをする場合には全額が払い戻されます。

つまり、出張の予定が急に変更になったり中止になっても、この普通運賃の航空券であれば仕事の都合で搭乗する便を変更したり払い戻したりすることできるのです。

一方で、私たちが休暇のハワイ旅行で利用する海外格安航空券も正規の海外航空券なのですが、値段が安い分いろいろな制約があります。

例えば、急に旅行の予定が変わっても便の変更は不可で、払戻しの場合には高い手数料がかかります。

販売する座席数が限られているので手に入れる場合には早いもの勝ちですし、ストップオーバーをする場合には追加料金が必要です。

これらの制限があるので、普通運賃の航空券よりも料金が安いのです。

私たちが世界中を快適に旅行するためには、この海外格安航空券の特性を良く理解して上手に使いこなす必要があります。

そこで、まずは敵を知ることも必要ということで、海外格安航空券の種類など基本的な事項と「いつ」「どこで」買えば良いのかについてご紹介をします。

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海外格安航空券には2つの種類がある

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海外格安航空券には「格安航空券(IT航空券)」と「正規割引航空券(PEX航空券)」の2つの種類があります。

まず最初に、この2種類の航空券の違いについてお話しします。

格安航空券(IT航空券)とは何か?

日本で個人の旅行者が海外格安航空券を利用することが一般的になったのは1980年代から1990年代にかけてですが、主にこの時期に使われていたのが「格安航空券(IT航空券)」です。

「格安航空券(IT航空券)」とは、本来パッケージツアーの団体客にしか販売できないIT運賃の航空券を、旅行会社が個人にばら売りしている航空券のことを言います。

ITとは「Inclusive Tour」の略称で、IT運賃は「包括旅行運賃」とも言います。

この格安航空券(IT航空券)はパッケージツアー用のIT運賃が適用されているので価格は安いのですが、予約の変更不可・払戻し不可など制限が厳しく、事前に座席の指定ができない場合もあります。

現在でも、航空会社の直販やツアーで売れ残った座席が、出発日の直前になって販売力のある旅行会社に安く卸されて、旅行会社によって「格安航空券(IT航空券)」として販売されています。

「直前大バーゲン価格!」「期間限定特価!」などという海外格安航空券はこのパターンです。

また販売の苦戦が見込まれる時には、航空会社は早い時期から販売力のある旅行会社に安く座席を卸しています。

「利用航空会社未定」という激安の海外格安航空券はこのパターンです。

格安航空券(IT航空券)には発券時に帰国便を予約しなければならない「FIX航空券」と帰国便が予約されていない「OPEN航空券」の2種類があり、どちらも旅行会社でのみ購入できます。

正規割引航空券(PEX航空券)とは何か?

正規割引航空券(PEX航空券)とは、航空会社が販売する正規の割引航空券のことを言います。

PEXとは「special excursion fare(特別回遊運賃)」の略称ですが、日本では一般的に「正規割引運賃」と呼ばれています。

日本では、2008年にPEX航空券のゾーン(割引できる範囲)が撤廃され、航空会社が正規割引航空券(PEX航空券)の品揃えを拡充して自社販売にも取り組み始めました。

このことを契機に、海外格安航空券は「格安航空券(IT航空券)」から「正規割引航空券(PEX航空券)」にシフトして、現在では個人旅行で使われる海外格安航空券は「正規割引航空券(PEX航空券)」が主流になっています。

正規割引航空券(PEX航空券)は販売する座席数が決まっているので、所定の座席数が売り切れると高い航空券しか買えなくなります。

また、正規割引航空券(PEX航空券)の料金が段階的に設定されていて、いちばん安い航空券が売り切れると、順次料金が切り上がっていくタイプの航空券もあります。

正規割引航空券(PEX航空券)には次の3種類があり、航空会社の他に旅行会社でも購入することができます。

1.IATA-PEX運賃

IATA(国際航空運送協会)が定めた全航空会社共通の割引運賃です。

全IATAの加盟会社で利用できますがゾーンPEX運賃やAPEX運賃よりも割高になります。

2.ゾーンPEX運賃

定められた割引率の範囲(ゾーン)の中で、各航空会社が独自に定めている割引運賃のことを言います。

2008年に国土交通省がゾーンを撤廃した後は、キャリアペックス運賃とも呼ばれています。

日本航空の「JALダイナミックセイバー」などがこれに該当します。

3.APEX運賃

APEX(エーペックス)とはAdvance Purchase Excursion Fareの略称で、事前に購入する必要があるゾーンPEX運賃のことを言います。

「出発の7日前までに購入が必要」などが定められており、PEX運賃の中ではいちばん安い運賃になります。

「早割航空券」と呼ばれる航空券や、出発の7日前までに購入が必要な日本航空の「JALダイナミックセイバー7」などがこれに該当します。

海外格安航空券はいつ買えばいいのか

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それでは最初に、海外格安航空券は「いつ」買えばいいのでしょうか。

海外格安航空券は早く予約するのが基本

私たちが海外格安航空券を購入する場合には、そのほとんどが正規割引航空券(PEX航空券)です。

正規割引航空券(PEX航空券)の中には、定められた期日までに購入すると料金が安い「早割り」などの航空券が多くあります。

また、販売される正規割引航空券(PEX航空券)の座席数が限られているので、人気がある路線については最安値の正規割引航空券は発売開始直後に売り切れることもあります。

そのため、旅行のスケジュールが決まったら、とにかく早い時期に予約をするのが基本です。

特にゴールデンウィーク・お盆休み・年末年始の繁忙期に出発する海外格安航空券はすぐに売切れてしまうので、早期の予約が必要です。

ただし、国際線航空券の販売開始時期は航空会社によって異なるので、確実に購入するためには希望する航空会社の航空券がいつから購入できるのかを確認することも大切です。

【参考:海外航空券発売開始日】

・日本航空:最終区間出発日の330日前10:00から発売開始。
・全日空:最終区間搭乗日355日前日本時間午前9時より発売開始。
・チャイナエアライン:半年又は1年に1回販売開始日が設定される。

閑散期であれば直前でも安く購入できることがある

閑散期に旅行をする場合でも、旅行の直前に海外格安航空券が購入できるかどうかは分らないので、できるだけ早く予約するのが基本です。

ただし、閑散期の出発日の直前になって急に旅行に行くことを決めた場合には、旅行会社のWEBサイトで「直前バーゲン価格」の格安航空券(IT航空券)が手に入ることがあります。

バーゲン価格の航空券は、ヨーロッパ行きであればアジアや中東での乗り継ぎ便が多く、アメリカ行きであれば直行便の他にアジアでの乗り継ぎ便の場合もあります。

しかし搭乗時間が長くてもいいのでとにかく安い航空券が欲しいという場合には、ぜひ「直前バーゲン割引」の海外航空券が販売されていないかどうかチェックすることをおすすめします。

海外格安航空券はどこで買えばいいのか

次に、海外格安航空券は「どこで」買えばいいのでしょうか?

正規割引航空券(PEX航空券)は「航空会社」と「旅行会社」のどちらかでで購入できます。

格安航空券(IT航空券)は「旅行会社」で購入できます。

しかし「航空会社」と「旅行会社」のどちらで購入する場合でも、それぞれの「店頭や電話で購入をするか」「オンラインで(インターネットで)購入するか」によって、手数料がかかる場合とかからない場合があります。

航空会社の店頭・電話では発券手数料がかかるがオンライン購入の場合には無料の場合が多い

「航空会社」のカウンターや電話窓口(コールセンター)でその航空会社の正規割引航空券(PEX航空券)購入する場合には、航空運賃に加えて「発券手数料」が加算されることが一般的です。

日本の航空会社では、JAL・ANAともに自社のカウンター・電話窓口を通じて海外航空券を購入する場合には「5,400円」の発券手数料がかかります。

※JALの発券手数料についてはこちら

※ANAの発券手数料についてはこちら

一方で国内外の航空会社のwebサイトで正規割引航空券(PEX航空券)を購入する場合には、発券手数料は無料の場合が多くなります。

日本の航空会社では、JAL・ANAともにwebサイトで海外航空券を購入する場合には発券手数料が無料になります。

したがって、現在では「航空会社」で海外航空券を購入する場合には、webサイトを通じて購入することが一般的になっています。

JAL 国際線航空券予約はこちら

ANA 国際線航空券予約はこちら

旅行会社の店頭・電話では発券手数料がかかるがオンライン購入の場合は無料の場合もある

「旅行会社」で正規割引航空券(PEX航空券)や格安航空券(IT航空券)といった海外航空券を購入する場合には、航空券代に加えて「発券手数料」(手配手数料)が加算されることが一般的です。

しかし一部の旅行会社では、webサイトを通じて海外航空券を購入する場合には、「発券手数料」(手配手数料)が無料になる場合があります。

日本の大手旅行会社では、JTBの電話販売センターやJTBの支店を通じて海外航空券を購入した場合には5,400円の「発券手数料」(手配手数料)がかかりますが、JTBのwebサイトで海外航空券を購入する場合には「発券手数料」(手配手数料)が無料になります。

JTBのwebサイトでは海外航空券の発券手数料が無料

外国のオンライン旅行会社では、「エクスペディア」でも「発券手数料」が無料になります。

エクスペディアでは発券手数料が無料

海外航空券は「航空会社」と「旅行会社」のどちらのwebサイトでで購入すれば良いのか

それでは、同じ「発券手数料」(手配手数料)が無料である場合には、「航空会社」と「旅行会社」のどちらのwebサイトで海外航空券を購入すれば良いのでしょうか。

この件に関してはそれぞれに「メリット」と「デメリット」があるので、整理をしてご紹介します。

航空会社のwebサイトで海外格安航空券を購入するメリットとデメリット

航空会社のwebサイトでは、利用日・路線・人数などを入力するだけで、旅程・空席状況・料金を検索することができます。

ただし、乗り継ぎ便やコードシェア便などを除き、その会社の航空券しか購入することができません。

もしも、複数の航空会社の料金を比較する場合には、比較する航空会社のwebサイトを全て訪問して検索を繰り返すことになります。

また、海外の航空会社のwebサイトの場合には、操作性に問題がありなかなか目的の航空券が検索できない場合もあります。

したがって、複数の航空会社のフライトを比較するような場合には、まず旅行会社のwebサイトで検索をすることをおすすめします。

最初からその航空会社のフライトを利用すると決めている場合でも、旅行会社で安い航空券を取り扱っている場合があるので、念のために旅行会社のwebサイトをチェックするのもいいでしょう。

航空会社のwebサイトではその場で予約・購入もできて、航空券の代金はクレジットカードで決済、航空券はe-チケットになります。

旅行当日にはe-チケットの控えを持参して、チェックインの手続きを行います。

航空会社のwebサイトで海外格安航空券を購入するメリット・デメリットをまとめると次のとおりです。

航空会社のwebサイトで海外格安航空券を購入するメリット

  1. 航空会社のwebサイトで正規割引航空券(PEX航空券)を購入する場合には発券手数料が無料の場合がある。
  2. その航空会社を利用した同じ旅程の航空券であれば最も安い場合が多い。
  3. キャンペーン・自社webサイト限定など、旅行会社で取り扱っていない安い航空券を販売する場合がある。
  4. 多くの場合予約時に座席の指定・マイレージの登録ができる。

航空会社のwebサイトで海外格安航空券を購入するデメリット

  1. その航空会社の正規割引航空券(PEX航空券)しか購入することができない。
  2. その航空会社のフライトでも格安航空券(IT航空券)は購入できない。
  3. 他社の航空券の価格との比較が困難である。
  4. 結果として他の航空会社よりも高い航空券を購入してしまう場合がある。

旅行会社のwebサイトで海外格安航空券を購入するメリットとデメリット

旅行会社のwebサイトを利用する最大のメリットは、利用日・路線・人数を入力するだけで、複数の航空会社の旅程・空席状況・料金が一括して検索できることです。

直行便だけでなく、料金が安い乗り継ぎ便を検索結果に含めることもできます。

旅行会社によっては異なる航空会社を乗り継ぐ航空券も購入できるので、多くの選択肢の中からフライトを選びたい人や安い航空券を探したい方に向いています。

ただし旅行会社によって取り扱い航空会社が異なり、また同じフライトでも旅行会社によって料金が異なる場合もあります。

安い航空券を探す場合には複数の旅行会社のwebサイトをチェックすることをおすすめします。特に「バーゲン航空券」は要チェックです。

旅行会社のwebサイトでもその場で予約・購入ができますし、旅行会社によっては座席指定やマイレージ登録のリクエストも受け付けています。

代金はクレジットカードで決済され、旅行当日には旅行会社からのメールやe-チケットの控えを持参して、チェックインの手続きを行います。

旅行会社のwebサイトで正規割引航空券を購入するメリット

  1. 複数の航空会社の旅程・空席状況・料金を一括して知ることができる。
  2. 検索結果には直行便だけでなく乗り継ぎの航空券も表示される。
  3. キャンペーンなどの場合には、航空会社のwebサイトよりも安い場合がある。
  4. 正規割引航空券(PEX航空券)だけでなく大特価バーゲンの格安航空券(IT航空券)も購入できる。

旅行会社のwebサイトで正規割引航空券を購入するデメリット

  1. webサイトで海外航空券を購入する場合でも発券手数料が必要な場合がある。
  2. 予約時に座席の指定やマイレージの登録ができない場合がある。

海外格安航空券の上手な使い方

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海外格安航空券を使って複数の都市を訪問する

海外航空券では単純に日本と海外の都市を往復するだけでなく、海外の複数の都市を訪問することもできます。

この複数の都市を訪問する海外航空券を「周遊航空券」と呼んでいます。

「周遊航空券」を上手に使うと、1回の海外旅行で多くの海外都市を訪問することができます。

例えば2つの海外都市を訪問する「周遊航空券」には、主に次の2つのパターンがあります。

海外の乗継地に滞在することができる「周遊航空券」

「周遊航空券」を使うことで、目的地に加えて海外で航空機を乗り継ぐ都市にも滞在することができます。

この「周遊航空券」では、航空機の乗り継ぎ地に24時間以上滞在する「ストップオーバー」という制度を利用しており、多くの航空会社で追加料金を支払うことで「ストップオーバー」をすることができる正規割引航空券(PEX航空券)を販売しています。

例えば日本航空のヨーロッパ行き正規割引運賃「JALダイナミックセイバー7」では、1回に付き1万円の追加料金を支払うだけで、往路と帰路にそれぞれ1回ずつロシアを除くヨーロッパ内で「ストップオーバー」をすることができます。

この「JALダイナミックセイバー7」を使って東京からパリに旅行をする時には、1万円を追加すれば帰りにロンドンに寄って2~3日滞在することができるのです。

この場合には、往路ではJALの東京-パリ直行便を利用してパリまで行き、復路ではパリ-ロンドン間は他社便を利用し、ロンドン-東京間はJALの直行便を利用することになります。

往路の到着地と帰路の出発地が異なる「周遊航空券」

「周遊航空券」を使うことで、往路の到着地の都市とは別の都市を、帰路の出発地とすることができます。

往路の到着地の都市とは別の都市から日本へ帰国する往復の方法を「オープンジョー」と言い、同じエリア内であれば多くの場合単純往復と同じ料金で利用できます。

例えば、往路では東京からパリまで航空機を利用して、パリ到着後にロンドンまでTGVを利用して移動、復路はロンドンから東京まで航空機を利用するといった行程で旅行をすることができます。

このように往路の到着地と帰路の出発地が異なる場合でも、海外格安航空券で往復することが可能です。

【関連記事】

JAL国際線 周遊航空券(2都市以上訪問)をネット予約する方法

JTBで海外の周遊航空券・オープンジョー航空券をネット予約する方法

エクスペディアで周遊航空券・オープンジョー航空券を検索する方法

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

近年、海外に個人旅行をする場合の航空券の選択肢はとても広くなりました。

エコノミークラスだけでなく、ビジネスクラスを上手に使って旅行を楽しむ方も増えています。

どうしても安く旅行がしたいという場合には、航空会社のwebサイトや旅行会社のwebサイトを丹念にあたると、思わぬ掘出物が見つかる場合もあります。

旅行会社によってはメール会員になると非公開の格安航空券の情報を教えてくれることもあります。

旅のパーツはとても充実してきたので、これらを上手に使って楽しい旅を作りたいものです。

この記事がみなさんのお役に立てばうれしいです。

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