私はこれまで30年近く毎年のように海外旅行に出かけていたのですが、スーツケースは全てレンタル品を利用していました。
理由は住宅事情です。社宅やマンション住まいが長かったので、スーツケースを保管する場所が無かったのです。
しかし現在は戸建てに住み替えたこともあり、今年の秋の海外旅行に備えて初めてスーツケースを購入しました。
購入する前に少しだけスーツケースについて勉強をしたのですが、その事がショップの店員さんの説明を聞く時にとても役に立ちました。
そこで、今回の記事では私たちのようにご夫婦で海外旅行に行かれる方の参考となるように、スーツケースを購入する前に知っておきたい選び方のポイントを取りまとめてみましたのでご紹介します。
スーツケースの種類
スーツケースには次の2種類があります。
- ハードタイプ:外側が硬い樹脂で覆われたタイプ。日本では一般的なタイプのスーツケースです。
- ソフトタイプ:外側が布製の素材で覆われたタイプ。外国の方が利用しているのを時々見かけます。
また、大きさについても「機内に持ち込める大きさ」の比較的小さなものから「手荷物として航空会社に預ける」の大型のものまで、様々な大きさのスーツケースがあります。
ここでは「ハードタイプ」で「手荷物として航空会社に預ける大きさ」のスーツケースを購入することを前提にしてお話をしていきたいと思います。
スーツケースの大きさ
スーツケースの大きさは3辺の合計が158cm以内にする
スーツケースを選ぶ時には、スーツケースの外側3辺の合計が158cm以内の大きさのスーツケースを選びます。
その理由は、外国の航空会社では無料で預かる手荷物の大きさ・重量・数量を「3辺の合計158cm以内・重さ23kg以内を1人1個」としている場合が多いからです。
この大きさのスーツケースを選んでおけば、荷物を詰め込みすぎて23kgを超えない限り、空港でチェックインをする時に追加料金を取られることはないと思います。
【参考】
・JALは3辺の合計が203cm以内で重さ23kg以内の手荷物2個まで無料。
・ANAは3辺の合計が158cm以内で重さ23kg以内の手荷物2個まで無料。
大きさで迷った時には大きなスーツケースを選ぶ
スーツケースの大きさは旅行の日数に応じて使い分けるのが良いのですが、もしも購入する大きさに迷った場合には、いちばん大きなサイズのスーツケースを購入することをおすすめします。
大は小を兼ねるということもあるのですが、ご夫婦で海外旅行に出かけるような場合には、旅行の日数に応じて次のような使い分けもできるからです。
- 10日前後の海外旅行:「大きなサイズ」を1人1つずつ利用する
- 3泊4日の海外旅行:「大きなサイズ」を2人で1つ利用する
ただし、いちばん大きなサイズと言っても、航空会社に預けることができる荷物の大きさと重さには制限があるので、その範囲内の大きさのスーツケースを選びます。
機内に持ち込む場合には3辺の合計が115cm以内にする
「手荷物として航空会社に預ける」のではなくて、「機内に持ち込める」サイズのスーツケースを探している場合には、3辺の合計が115cm以内の大きさのスーツケースを選ぶようにします。
これは、JALやANAでは機内に持ち込み可能な手荷物の大きさを次のとおり規定しているからです。
なお、国内線の小型機では3辺の合計が100cm以内のスーチケースでないと機内に持ち込めないので注意が必要です。
国際線
3辺の合計:115cm 以内、各辺55cm × 40cm × 25cm以内、合計重量10kg以内。
国内線(座席数が100席以上の機種)
3辺の合計:115cm 以内、各辺55cm × 40cm × 25cm以内、合計重量10kg以内。
国内線(座席数が100席未満の機種)
3辺の合計:100cm 以内、各辺45cm × 35cm × 20cm以内、合計重量10kg以内。
※他のエアラインやLCCでは規定が異なる場合がありますので、必ず各エアラインのHPで規定をご確認願います。
スーツケースのタイプ
スーツケースには、開け閉めする方法が異なる「フレームタイプ」と「ジップタイプ」(ファスナータイプ)の2つのタイプのスーツケースがあります。
フレームタイプ
フレームタイプとは何か
「フレームタイプ」のスツケースとは、開閉部分が金属製のフレームでできており、閉じる時にフレーム同士を合わせて「カチッ」と閉めるタイプです。
昔のスーツケースは全てこのタイプでした。
フレームタイプの特徴
- 金属性のフレームがあるのでジップタイプより重い。
- フレームがあるので容量がジップタイプよりも少ない。
- 外部からの衝撃を吸収する「遊び」が無いのでジップタイプよりも壊れやすい。
- 外部から衝撃を受けた場合に中身の保護性が高い。
ジップタイプ(ファスナータイプ)
ジップタイプ(ファスナータイプ)とは何か
ジップタイプのスーツケースとは、開閉部分がジッパー(ファスナー)でできており、ジッパー(ファスナー)で開閉するタイプのスーツケースです。
軽量なので最近はこのタイプが主流です。
ジップタイプ(ファスナータイプ)の特徴
- 金属製のフレームが無いのでフレームタイプより軽い。
- フレームが無いので容量がフレームタイプよりも多い。
- ファスナー部分が外部からの衝撃を吸収するのでフレームタイプよりも壊れにくい。
- 外部から衝撃を受けた場合に中身の保護性が低い。
フレームタイプとジップタイプのどちらを選ぶか
ジップタイプのスーツケースはとても軽くできているので、今ではジップタイプのスーツケースが主流になっています。
無料で航空会社に預けることができる手荷物には23kgまでという重さの制限もあるので、軽いスーツケースを選ぶ方が有利になります。
ただし、ジップタイプのスーツケースは中身の保護性が低いので、スーツケースの中に壊れやすいビン類や化粧品を入れる方はフレームタイプのスーツケースを選ぶようです。
一概にどちらのタイプが良いということではなく、使う方の好みやどんな物を入れるかによってタイプを選ぶのが良いと思います。
スーツケースの素材
ボディの素材は100%「ポリカーボネート」を選ぶ
以前はスーツケースのボディの素材は「ABS樹脂」が使われていましたが、今では「ポリカーボネート」が使われています。
- ポリカーボネート:熱可塑性プラスチックの一種。耐衝撃性・耐熱性・難燃性などに優れている。
- ABS樹脂:アクリロニトリル (Acrylonitrile)、ブタジエン (Butadiene)、スチレン (Styrene)共重合合成樹脂。
安価なスーツケースでは現在でもABS樹脂やポリカーボネートとABS樹脂の合成(ABS樹脂の層をポリカーボネート層ではさむ3層構造等)素材が使われることもあります。
ポリカーボネートは薄くても強度があり、100%ポリカーボネート製(ポリカーボネートの3層構造等)のスーツケースはとても丈夫で軽くできています。
また、100%ポリカーボネート製のスーツケースのボディはとても薄いのでさわるとへこみます。ペコペコで不安になるほどですが強度的には全く問題はありません。
スーツケースを選ぶ時には丈夫で軽い100%ポリカーボネート製のスーツケースを選ぶことが重要です。
ロックは「TSAロック」の商品を選ぶ
TSAロックは、アメリカ運輸保安局 TSA(Transportation Security Administration)によって認可・容認されたロックのことです。
アメリカ本土の他、ハワイ・グアム・サイパン等の空港で預ける手荷物に関しては、旅客機に積み込む前にTSAの職員によってバッグやスーツケースを開けての念入りな検査が行われます。
そのため、空港ではスーツケースのロックをかけないで預けることになります。
しかし「TSAロック」を使用しているスーツケースについては、TSA職員が特殊なツールを使用して鍵穴からロックを開錠して検査をして、検査後は施錠して戻してくれます。
「TSAロック」のスーツケースであれば、アメリカ本土やハワイ・グアム・サイパンであってもカギをかけたまま航空会社に預けることができます。
スーツケースのメーカー・ブランド
スーツケースは国内外の様々なかばんメーカーが製造していますが、ここでは国内外の代表的なメーカー・ブランドを6つだけご紹介します。
サムソナイト
1910年にアメリカで設立され、現在はイギリスロンドンに本社があるかばん衣料品メーカー。世界でNo.1シェアと言われています。世界100ヶ国以上に400もの直営店を展開しており、日本では2005年にサムソナイト・ジャパンが設立されました。
日本では高級路線を展開しており、旅行用やビジネス用まで様々なシリーズのスーツケースを販売しています。
リモワ
1898年設立のドイツのスーツケースメーカー。ジュラルミン製のスーツケースブランドとして有名ですが、2000年からはポリカーボネート製の商品も販売しています。
日本でも高価格の高級品が数多く販売されています。
エース
1940年創業の日本を代表するかばんメーカー。2004年まではサムソナイトのスーツケースを日本でライセンス生産・販売をしていました。
現在は自社オリジナルである「プロテカ」ブランドを「3年保証の日本製高級スーツケース」として強力に展開しています。価格は高めです。
サンコー鞄株式会社
1893年創業の日本の老舗かばんメーカーです。高品質で購入しやすい価格帯のスーツケースを数多く取り扱っています。
アメリカンツーリスター
1933年に創業されたアメリカのスーツケースメーカーです。1995年にはサムソナイトの傘下に入りました。
サムソナイト製品とは異なり、購入しやすい価格帯に多彩なデザインの製品を数多く取り揃えています。
アメリカンツーリスターの製品にはサムソナイト製品と同様に保証が付いています。
東急ハンズオリジナル商品
東急ハンズのオリジナル商品「hands+」で高品質・低価格のスーツケースを開発しました。
有名メーカーでは3万円台の品質の商品を1万円台で販売しています。
スーツケースの値段
海外旅行で利用するハードタイプで大型のスーツケースの場合、次の価格帯がおおよその目安となります。
- 5万円以上:国内外有名メーカー・ブランドの高級品
- 2~3万円:国内メーカーの標準的なスーツケース
- 1万円台:ショップのオリジナルモデル等
- 1万円未満:通販ショップの格安商品
ポリカーボネートを使用したスーツケースでも、2~3万円台で購入できます。
1万円未満の格安商品はABS樹脂の商品が多くなります。素材を明記していない場合もあるので注意が必要です。
どこでスーツケースを買うか
スーツケースは、大きさ・重さの他に表面の硬さや開け閉めのスムーズさ、内部のポケットやキャスターの取り付け状況などをチェックしたいので、できれば現物を見てから購入したい商品です。
ただし、デパートやショッピングセンターでも品揃えが限られているので、通販で購入する方も多いです。
店舗で購入する場合
現物を見る場合には、次のようなショップが考えられます。
ただし、ショップはスペースが限られているので、展示している商品数は限られています。気に入った商品が見つからない場合には注文をすれば取り寄せてくれます。
- 大型のデパートの旅行用品・かばん売り場:高級品・高価格のブランド品を中心に置いています。
- 大型ショッピングセンターにある旅行用品ショップやかばんショップ:メーカー品が多くなります。価格は様々です。
- パスポートセンター近辺や空港にある旅行用品ショップ:メーカー品が多くなります。価格は様々です。
- 東急ハンズ:様々な価格帯のメーカー品の他オリジナル商品も販売しています。
通販で購入する場合
通販の場合には格安商品から高級品まで様々なスーツケースが購入できます。2~3万前後のメーカー品であれば一定以上の品質は期待できると思います。
ポイントが貯まる「楽天市場」や「Yahooショッピング」でも購入できます。
amazon
amazonには廉価品から一流メーカー高級品まで、様々なブランド・価格帯のスーツケースが揃っています。
amazonの商品にはamazonアマゾン本体が仕入れ・販売と行っている商品と、別業者がamazonのシステムを利用して販売している商品の2つがあります。
一流メーカーの公式オンラインショップで完売している商品や旧モデルの商品でも、amazonや他の販売業者には在庫がある場合も多いので、ぜひチェックしてみて下さい。
一流メーカーの高額商品に関しては並行輸入品も取り扱っています。
楽天市場
楽天市場で購入するメリットは楽天スーパーポイントが貯まること、貯まった楽天スーパーポイントを購入に利用できる事です。
販売されている商品は廉価品から一流メーカー品まで様々です。
Yahooショッピング
Yahooショッピングで購入するメリットはTポイントが貯まること、貯まったTポイントを購入に利用できる事です。
販売されている商品は廉価品から一流メーカー品まで様々です。
東急ハンズネットストア
東急ハンズのオリジナルブランド「ハンズプラス」のスーツケースを購入することができます。
エースオンライン公式ストア
日本の大手かばんメーカー「エース」の公式オンラインストアです。「エース」ブランドの他に、エースが展開する「プロテカ」ブランド「ハント」ブランド等の商品を購入することができます。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
世の中には膨大な数のスーツケースがあるのでいろいろと目移りしてしまいますね。
でもスーツケースには個性的なデザインの商品も多いので、商品を見ているだけでも楽しいです。
みなさんもぜひお気に入りのスーツケースを見つけてください。
この記事がみなさんのお役にたてばうれしいです。
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