車検費用100万円の見積書を受け取るなんて都市伝説だと思っていました。
それまで私は車検費用というものは毎回15万円から25万円程度で収まるものだと思っていて、実際にそれ位の金額で済んでいたのです。
しかし、自分の車で車検費用100万円の見積書を受け取るとは・・・。
今回の記事では、今から15年ほど前になりますが、私が車検費用100万円の見積書を受け取った時の様子とその理由についてご紹介したいと思います。
私が車検費用100万円の見積書を受け取ったお話の概要
私が車検費用100万円の見積書を受け取ったのは2005年12月でした。
ですから、今からもう15年も昔の話になります。
その時に乗っていた車は、1994年12月に新車で購入した「アウディ80 2.0E」でした。
その「アウディ80」を購入して5回目にあたる11年目の車検で、車検費用100万円の見積書を受け取りました。
「アウディ80」は独製の輸入車で、それまで「アウディ80」を購入した正規ディーラーさんで4回車検を行い、毎回の車検費用は15万円~25万円程度でした。
ですから、車検費用100万円の見積書を受け取った時には驚きでした。
しかし、今になって考えてみると、その時は色々な条件が重なり合って100万円という金額になったということがよくわかります。
それでは私が車検費用100万円の見積書を受け取った理由についてご紹介したいと思います。
私が車検費用100万円の見積書を受け取った理由
車を購入したディーラーさんで車検を行っていた
車を購入したディーラーさんで車検を行うのは安心ですよね。
私は車を保有して35年目になりますが、車検だけは毎回車を購入したディーラーさんにお願いしてきました。
しかし、車を購入したディーラーさんで車検を行うと車検費用は高くなります。
それは車検費用の内訳を見てみると良くわかります。
車検費用の内訳
車検時に支払う費用は、概ね次のように分かれています。
- 法定費用
- 車検基本費用
- その他の諸費用
法定費用
「法定費用」は次の3つです。
私が現在保有している「アウディA3」が行った2019年の車検の場合には、法定費用の合計は52,230円でした。
この金額はどこで車検を行っても同じです。
- 自動車重量税:24,600円
- 自賠責保険料:25,830円
- 印紙代:1,800円
- 合計:52,230円
車検基本費用
次の「車検基本費用」は車検を行う場合の費用です。
多くの場合、自動車ディーラーさんや街の自動車整備工場等が、ユーザーに代わって車検を行うための費用です。
具体的には「車検代行手数料」「保安確認検査料」などです。
車検と同時に行うことが多い「法定24か月点検費用」もこの項目に含まれます。
私の「アウディA3」が2019年に行った車検の時には、次の費用がかかりました。
- 車検代行手数料:12,960円
- 法定24か月点検費用:25,920円
- エンジン下回り洗浄:8,640円
- 保安確認検査料:10,800円
- 日常点検項目:2,160円
- AUDIメーカー指定点検:6,480円
- 産業廃棄物処理委託料金:1,080円
- ショートパーツ:2,160円
- 合計:70,200円
この「車検基本費用」は、どこに車検をお願いするのかによって異なってきます。
一般的には、
自動車ディーラー>街の整備工場>車検専門店>ガソリンスタンド>ユーザー車検、
だと言われています。
私の「アウディA3」が2019年に行った車検の場合には、車を購入した自動車ディーラーに車検をお願いして「車検基本費用」は70,200円でした。
既に、「法定費用」と「車検基本費用」の合計だけで、122,430円の費用が必要となっています。
その他諸費用
最後の「その他諸費用」とは、「法定24か月点検」や「メーカー指定点検」を行った結果必要となる修理費用や部品代と工賃です。
私の「アウディA3」が2019年に行った車検の場合には、119,379円かかっています。
- ブレーキフルード交換:11,448円
- クーラント交換:15,768円
- エンジンオイル交換・エレメント交換:24,620円
- ワイパーブレード(フロント・リア)交換:12,031円
- バッテリー交換:34,344円
- ヘッドライト交換:21,168円
- 合計:119,379円
この費用も一般的には、
自動車ディーラー>街の整備工場>車検専門店>ガソリンスタンド>ユーザー車検、
だと言われています。
どうして自動車ディーラーさんに車検をお願いした場合に「その他の諸費用」が高いのでしょうか。
それは、自動車ディーラーさんでは部品の交換に「純正部品」を使用するからです。
街の整備工場や車検専門店などでは、ユーザーと相談の上価格の安い社外品を使う場合もあるのですが、自動車ディーラーさんの場合には保証の問題もあるので、価格が高い「純正部品」を使うことになります。
このように、自動車ディーラーさんに車検をお願いする場合には、街の整備工場や車検専門店などよりも金額の高い見積書を受け取る可能性が高くなります。
私の「アウディA3」が2019年に行った車検の場合には、
「法定費用」52,230円+「車検基本費用」70,200円+「その他諸費用」119,379=「合計」241,809円
の費用が必要となりました。
輸入車の車検だった
前の項目で自動車ディーラーさんに車検をお願いすると、街の整備工場や車検専門店などよりも高い金額の見積書を受け取る可能性が高いというお話をしました.
しかし、同じ自動車ディーラーさんでも国産車のディーラーさんと輸入車のディーラーさんとでは車検費用は変わってきます。
具体的には、前の項目でお話をした「その他諸費用」の金額が異なってきます。
どうしてかと言うと、輸入車の部品価格は国産車の部品よりも高く、輸入車ディーラーさんの工賃は国産車ディーラーさんの工賃よりも高いからです。
輸入車の部品が高い理由は「輸入車の部品は海外からの輸送費が上乗せされているから」だそうです。
私の「アウディA3」の車検では毎回バッテリーの交換を行うのですが、2年前に行った車検の場合にはバッテリー交換費用は34,344円でした。
さらに輸入車ディーラーの工賃は本当に高く、2年前のブレーキフルードの交換で9,072円、クーラントの交換も9,072円かかっています。
工賃が高いのは「輸入車の整備にはその車の専門知識を持った整備士が行う必要があるから」だそうです。
また、輸入車のブレーキパッドなどの部品は、国産車よりも交換頻度が高くなります。
このように、国産車よりも輸入車の方が車検の「その他の諸費用」の金額は高くなってきます。
60,000km以上走っている輸入車の車検だった
私が車検費用100万円の見積書を受け取った「アウディ80」の走行距離は、約60,000kmでした。
これは輸入車に限ったことではないのかもしれませんが、やはり自動車は走行距離に応じて傷みが出てくるようです。
アウディのサービスの方と話をすると、現在私が保有している「アウディA3」の走行距離は34,000kmなので、50,000kmまでは大きなトラブルは心配しなくて大丈夫だとのことです。
逆に言うと、50,000kmを超えてくると大きなトラブルが起きる可能性があるということです。
そのため、ある程度の距離を走った場合にトラブルが出てくる可能性がある部品については、予防的な意味を込めて早めに部品交換を行う場合があります。
さらに、「アウディA3」のメンテナンスノートには、60,000kmを超えると定期交換を推奨する部品も記載されています。
最終的にはユーザーと相談した上で部品を交換することになるのですが、早めに交換する部品が見積書にリストアップされることは良くあります。
私が「アウディ80」の11年目の車検で受け取った車検費用100万円の見積書にも、このような部品が数多くリストアップされていました。
10年以上走っている輸入車の車検だった
これも輸入車に限ったことではないのかもしれませんが、やはり長く乗った車には傷みがでてきます。
経年劣化というやつですね。
特にゴムや樹脂でできた部品については、交換する必要が出てきます。
私が現在保有している「アウディA3」でも、9年目の車検で「フロントロアーアームボールジョイントのブーツ」にひび割れが見つかりました。
この「ブーツ」にひび割れがあると車検を通らないので、約4万6千円をかけて交換をしました。
またその年には「ヘッドライトのウォッシャーノズル交換」も行って、約3万円かかっています。
「アウディA3」の11年目の車検では、「キセノンヘッドライト」の光量が落ちて車検に通らないので、「バルブ」の交換が必要になりました。
見積もりではこの「バルブ」の交換に10万円かかると言われたのですが、何とか安い部品を使ってもらい2万円で交換をしてもらいました。
保有して10年を過ぎた輸入車の車検では、それまでの車検よりも部品の交換が多くなるかもしれません。
私が「アウディ80」の11年目の車検で受け取った車検費用100万円の見積書にも、このような部品が数多くリストアップされていました。
それまでの車検や修理で交換を先送りにした部品があった
私が1994年に購入した「アウディ80」は、現在の高品質な「アウディ」車とは比べ物にならないほど、それはもう故障が多い車でした。
納車当日にエアコンの「ブロアモーター」が故障してディーラーに逆戻りをしたほどで、大好きな車でしたがメンテナンスには苦労しました。
車検時以外にも、約15万円をかけて穴があいた「ラジエター」の交換をしたこともありました。
燃料計などのメーターの調子も悪く、インパネをそっくり交換しなければならないとも言われていましたが、費用がかかりすぎるので交換を先送りにしていました。
それほど修理には費用がかる一方で、車検時の部品の交換は必要最小限にしてもらい、車検の費用は毎回15万円~25万円程度に収めてもらっていました。
そんな状態で「アウディ80」の11年目の車検を迎えたところ、部品の交換や修理が積もりに積もって、車検費用100万円の見積書を受け取ることになったのです。
ディーラーさんの営業担当者が転勤してしまった
これも輸入車に限ったことではないのですが、車検をお願いしたディーラーさんの営業所に、車を購入した時の営業担当者がいるのといないのとでは、ディーラーさんの対応が全く変わってきます。
私は当時「アウディ80」の修理や車検の予約は、車を購入した時の営業担当者を通じて行っていました。
しかし「アウディ80」の11年目の車検時には、その営業担当者が転勤で他の営業所に行ってしまったのです。
そのため、事前にディーラーさんと修理や部品交換の打合せを行うことができませんでした。
また、当時は私の仕事も忙しく、ディーラーさんへの入庫を妻に頼んでいたので、入庫当日にもディーラーさんとの打ち合わせができませんでした。
そして「アウディ80」を入庫した日の夜の電話で車検費用100万円の見積金額の連絡を受け、翌日にはディーラーさんから車検費用100万円の見積書が送られてきたのです。
車は手放すことになりました
さて、車検費用100万円の見積書を受け取ってしまった「アウディ80」ですが、車検を行うかどうかの判断をしなければなりません。
ディーラーさんのサービス担当者は、暗に他の車への「乗り換え」を提案する車検費用100万円の見積書を作成しておきながら、口頭では「車検を通すだけの最低限の整備もできます」などと挑発的なことを言います。
こんな時こそ冷静に対応しなければと思い、私と妻が下した決断は「アウディ80」を手放すことでした。
一部の修理を見送ったり部品の交換を先送りするなどして車検費用を少なくすることも可能だったのですが、車検を通すことは止めました。
運転していて楽しい大好きな車でしたが、これ以上メンテナンスに費用をかけても、そう長く乗ることは出来ないだろうと判断しました。
また、メンテナンスに大変な思いをしたので、次に購入する車は国産車の新車に決めました。
見積書を受け取った次の休日からは国産車のディーラーをまわり、故障の少ない信頼性の高い車を探すことになったのです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
輸入車の場合には、簡単な部品の交換でもカーショップで受け付けてもらえず、ディーラーさんにお願いするしかないことがあります。
そのため、車検についてもディーラーさんにお願いすれば安心ですし、多少費用がかかることも納得していました。
しかし、11年目の車検で車検費用100万円の見積書を受け取った時には悲しかったです。
それまでなんとかメンテナンスをしながら乗り続けてきた愛車を全否定されたように思えました。
また、貧乏人は輸入車に乗る資格はないと通知されたようにも感じました。
でも、今になって冷静に考えてみると、安全に車を走らせるためにはお金がかかることがよくわかります。
お金をかけて車の整備をすることは、輸入車に乗っている人の自己責任なんですね。
そのことが理解できたので、私も再び「アウディ」に戻ってきました。
もうすぐ「アウディA3」の13年目の車検です。
でも、車検費用100万円のディーラーさんとは別のディーラーさんにお願いしています。
この記事が皆さんのお役に立てばうれしいです。