「アウディQ3」が日本市場に投入されたのは2012年5月。
その後2020年7月に初のフルモデルチェンジが行われて、クーペスタイルの「アウディQ3スポーツバック」を新たにラインナップに加えてきました。
一方で「アウディQ2」は2017年4月に日本市場に投入されて、2021年5月にはマイナーチェンジを予定しています。
現在「アウディA3」に乗っている私にとっては、この2台はとても気になる存在です。
そこで今回の記事では、日本市場でも人気があるこの2車種を比較してみたいと思います。
※この記事は2021年3月時点の情報をもとに書いています。
ボディサイズの比較
アウディQ2のボディサイズ
- 全長:4,200~4,205mm
- 全幅:1,795mm
- 全高:1,520~1,530mm
- ホイールベース:2,595mm
- 車両重量:1,340kg
- 最小回転半径:5.1m
「アウディQ2」はアウディのQシリーズの中では最も小さいサイズのSUVです。
ただし、アウディの全シリーズの中で最も小さい「アウディA1スポーツバック」よりは大きく、「アウディQ2」は全長で160mm、全幅で55mm、全高で95mm「アウディA1スポーツバック」のボディサイズを上回っています。
日本市場では、トヨタのヤリスクロス、日産キックス、マツダCX-3、VWのTクロスなどと競合するボディサイズです。
「アウディQ2」の全高は多くの機械式駐車場の高さ制限である1,550mmも下回っており、都市部でも安心して購入の検討ができるサイズになっています。
アウディQ3のボディサイズ
- 全長:4,490~4,495mm
- 全幅:1,840mm
- 全高:1,610mm
- ホイールベース:2,680mm
- 車両重量:1,530~1,700kg
- 最小回転半径:5.4m
「アウディQ3」のボディサイズは、全長で290mm、全幅で45mm、全高で80~90mm「アウディQ2」のボディサイズを上回っています。
アウディのQシリーズの中では、「アウディQ5」と「アウディQ2」の間の大きさになります。
日本市場では、ホンダヴェゼル、スバルXV、マツダCX-30、などと競合するボディサイズです。
ただ「アウディQ3」の全幅はライバル車よりも若干大きめの1,840mmとなっています。
全高も1,610mmと、多くの機械式駐車場の高さ制限である1,550mmを上回っています。
アウディQ3スポーツバックのボディサイズ
- 全長:4,500~4,520mm
- 全幅:1,840mm
- 全高:1,565mm
- ホイールベース:2,680mm
- 車両重量:1,530~1,710kg
- 最小回転半径:5.4m
「アウディQ3スポーツバック」は「アウディQ3」のクーペスタイル版です。
そのため、「アウディQ3スポーツバック」のボディサイズは「アウディQ3」よりも全長で10mm上回り、全幅は同じで、全高は45mm下回っています。
エクステリアの比較
アウディQ2のエクステリア
上の写真は「アウディQ2 advanced」で、ボディカラーは今回のマイナーチェンジで新たに加わった「アップルグリーンメタリック」になります。
「アウディQ2」のボディカラーは、この「アップルグリーンメタリック」を含めて「advanced」は8色から、「S line」は9色から選ぶことができます。
「advanced」のボディーカラー
- アイビスホワイト
- フロレットシルバーメタリック
- グレイシアホワイトメタリック
- ミストブラックメタリック
- マンハッタングレーメタリック
- アップルグリーンメタリック
- タンゴレッドメタリック
- ナバーラブルーメタリック
「S line」のボディーカラー
- アイビスホワイト
- ターボブルー
- グレイシアホワイトメタリック
- ミストブラックメタリック
- アップルグリーンメタリック
- タンゴレッドメタリック
- ナバーラブルーメタリック
- デイトナグレーパールエフェクト
- アローグレーパールエフェクト
フロントグリルに関しては、今回のマイナーチェンジで8角形のシングルフレームの位置が従来モデルよりもわずかに下げられており、フロントセクションの幅の広さが強調されています。
LEDヘッドライトとともにシャープな印象を与えようとしているようです。
また、ボンネット先端には往年のAudi Sport quattroのイメージを受け継ぐ3分割スリットが設けられています。
アウディQ3のエクステリア
上の写真は「アウディQ3 TFSI S line」で、ボディカラーは「パルスオレンジ」になります。
「アウディQ3」のボディカラーは、この「パルスオレンジ」を含めて9色から選ぶことができます。
※グレードによって設定がないカラーがあります。
「アウディQ3」のボディーカラー
- アイビスホワイト
- ミトスブラックメタリック
- グレイシアホワイトメタリック
- デイトナグレーパールエフェクト
- フロレットシルバーメタリック
- パルスオレンジ
- ターボブルー
- タンゴレッドメタリック
- クロノスグレーメタリック
アウディQ3スポーツバックのエクステリア
上の写真は「アウディQ3スポーツバック 35 TFSI」で、ボディカラーは「フロレットシルバーメタリック」になります。
アウディQ3スポーツバックのボディカラーは、この「フロレットシルバーメタリック」を含めて9色から選ぶことができます。
※グレードによって選択できないカラーがあります。
「アウディQ3スポーツバック」のボディーカラー
- アイビスホワイト
- ミトスブラックメタリック
- グレイシアホワイトメタリック
- デイトナグレーパールエフェクト
- フロレットシルバーメタリック
- パルスオレンジ
- ターボブルー
- タンゴレッドメタリック
- クロノスグレーメタリック
「アウディQ3スポーツバック」の特徴は、リヤに向けて美しく傾斜するルーフラインで、このデザインを採用したことにより全長は「アウディQ3」よりも10mm長くなっています。
インテリアの比較
アウディQ2のインテリア
「アウディQ2」のダッシュボード周りで目に付くのは、円形のエアベントと中央のナビ画面です。
これらは「アウディA3」とほぼ同様のデザイン・配置ですが、今回のマイナーチェンジでエアベントやシフトレバーのデザインが若干変更されています。
また、「アウディQ2 S Line」に関しては、オプションの「S Lineプラスパッケージ」を装着することにより、よりスポーティな仕様にすることも可能です。
なお、アナログ式メーターの代わりに12.3インチの大型ディスプレイによる「バーチャルコックピット」が配置されますが、これは「MMIナビゲーションシステム」と同様にオプション設定になります。
「アウディQ3」「アウディQ3スポーツバック」のインテリア
「アウディQ3」「アウディQ3スポーツバック」のインテリアで最も特徴的なのは、ナビ画面の位置がエアベントの下に配置されていることでしょうか。
個人的には「アウディQ2」や「アウディQ5」と同じように、ナビ画面はエアベントよりも上の部分に配置してほしかったと思います。
「アウディA3」「アウディQ3スポーツバック」でも、従来のアナログ式メーターに代わり10.25インチの大型ディスプレイによる「バーチャルコックピット」が設定されていますが、こちらは標準装備となります。
パワートレインの比較
アウディQ2のパワートレイン
「アウディQ2」の従来モデルでは、1L直3ターボ、1.4L直4ターボ、2L直4ディーゼルターボという選択肢がありました。
しかし、今回のマイナーチェンジで新開発の1.5リットル直列4気筒ターボエンジンに一本化されます。
このターボエンジンは、高圧の直噴システムの採用などにより最高出力 150PS、最大トルク250Nmを発揮します。
また、エンジンが低負荷の際には2気筒となる気筒休止システムのシリンダーオンデマンド(cod)の採用により低燃費を実現しています。
駆動方式はFFのみで、トランスミッションは7速DCTになります。
アウディQ3、アウディQ3スポーツバックのパワートレイン
「アウディQ3」「アウディQ3スポーツバック」のパワートレインは、1.5リットル直列4気筒ターボエンジン、2リットル直列4気筒ディーゼルターボエンジンの2択となります。
1.5リットル直列4気筒ターボエンジンは、アウディQ2に搭載されるエンジンと同一のエンジンです。
2リットル直列4気筒ディーゼルターボエンジンは、最高出力150PS、最大トルク340Nmを発揮します。
1.5リットル直列4気筒ターボエンジンが搭載されるグレードの駆動方式はFFですが、2リットル直列4気筒ディーゼルターボエンジンが搭載されるグレードの駆動方式は4WDになります。
トランスミッションは7速DCTになります。
グレード・価格の比較
アウディQ2のグレード・価格
エンジン | グレード | ミッション | 駆動方式 | 車両本体価格 |
1.5L直3ターボ | Q2 35 TFSI advanced | 7速DCT | FF | 394万円 |
Q2 35 TFSI S line | 7速DCT | FF | 430万円 |
「アウディQ2」のグレードは、今回のマイナーチェンジで「Q2 35 TFSI advanced」と「Q2 35 TFSI S line」の2グレードに集約されました。
両者の価格差は36万円になります。
「advanced」と「S line」の装備における大きな違いは、「S line」にはフロントとリヤに専用バンパーが装着されることと、足回りがスポーツサスペンションになることです。
また、「S line」は「S line プラスパッケージ」というオプション(30万円)を選ぶことにより、よりスポーティーな仕様にすることが可能です。
なお、「advanced」と「S line」ともに、「アダプティブクルーズアシスト」等の先進安全機能と「ナビゲーション」「バーチャルコックピット」などを装備するためには、それぞれメーカーオプションである「コンビニエンス&アシスタントパッケージ」(21万円)、「ナビゲーションパッケージ」(29万円)を選択する必要があります。
さらにナビとスマホを連携させるためには「テクノロジーパッケージ」(6万円)を選ぶ必要があり、これらのオプション代だけで56万円になります。
実際に「アウディQ2」を購入する場合には、ほとんどの人は「コンビニエンス&アシスタントパッケージ」「ナビゲーションパッケージ」「テクノロジーパケージ」のオプションを選択することになると思うので、実質的な車両本体価格は「Q2 35 TFSI advanced」は450万円、「Q2 35 TFSI S line」は486万円となります。
アウディQ3のグレード・価格
エンジン | グレード | ミッション | 駆動方式 | 車両本体価格 |
1.5L直4ターボ | Q3 35 TFSI | 7速DCT | FF | 438万円 |
Q3 35 TFSI advanced | 7速DCT | FF | 464万円 | |
Q3 35 TFSI S Line | 7速DCT | FF | 494万円 | |
2L直4ディーゼルターボ | Q3 35 TDI quattro advanced | 7速DCT | 4WD | 513万円 |
Q3 35 TDI quattro S Line | 7速DCT | 4WD | 543万円 |
「アウディQ3」の「1.5L直4ターボエンジン」については「Q3 35 TFSI」「Q3 35 TFSI advanced」「Q3 35 TFSI S Line」の3グレードが、「2L直4ディーゼルターボエンジン」については「Q3 35 TDI quattro advanced」「Q3 35 TDI quattro S Line」の2グレードが設定されています。
「Q3 35 TFSI」と「Q3 35 TFSI advanced」の価格差は26万円です。
装備の大きな違いは「Q3 35 TFSI」には扁平率65のタイヤに17インチのアルミホイールが、「Q3 35 TFSI advanced」には扁平率55のタイヤに18インチのアルミホイールが装着される事、バンパーの形状が異なる事です。
また「Q3 35 TFSI」ではオプションの「アシスタンスパッケージ」(12万円)は選択できるのですが、「ベーシックパッケージ」(26~27万円)「ラグジュアリーパッケージ」(16万円)「テクノロジーパッケージ」(12万円)などは選択できないので、438万円という価格の割には装備は貧弱かもしれません。
一方で「Q3 35 TFSI advanced」の装備を充実させるためにそれらのオプションを選択すると、車両本体価格は500万円を超えてしまいます。
「Q3 35 TFSI advanced」と「Q3 35 TFSI S Line」の価格差は30万円で、「Q3 35 TFSI S Line」には「スポーツシート」や「S Line専用バンパー」など、スポーツ仕様の装備が装着されます。
アウディQ3スポーツバックのグレード・価格
エンジン | グレード | ミッション | 駆動方式 | 車両本体価格 |
1.5L直4ターボ | Q3 sportback 35 TFSI | 7速DCT | FF | 452万円 |
Q3 sportback 35 TFSI S Line | 7速DCT | FF | 516万円 | |
2L直4ディーゼルターボ | Q3 sportback 35 TDI quattro S Line | 7速DCT | 4WD | 563万円 |
アウディQ3スポーツバックの「1.5L直4ターボエンジン」については「Q3 sportback 35 TFSI」「Q3 sportback 35 TFSI S Line」の2グレードが、「2L直4ディーゼルターボエンジン」については「Q3 sportback 35 TDI quattro S Line」の1グレードが設定されています。
「Q3 sportback 35 TFSI」と「Q3 sportback 35 TFSI S Line」の価格差は64万円で、「Q3 sportback 35 TFSI S Line」はシートやタイヤ、アルミホイール、バンパーなどがスポーツ仕様になります。
先進安全装備の比較
アウディQ2の先進安全装備
先進安全装備 | advanced | S line |
アダプティブクルーズコントロール | △ | △ |
アウディサイドアシスト | △ | △ |
アウディパーキングシステム | 〇 | 〇 |
リヤビューカメラ | 〇 | 〇 |
アウディホールドアシスト | 〇 | 〇 |
ハイビームアシスト | △ | △ |
アウディプレセンスフロント | 〇 | 〇 |
アウディプレセンスベーシック | △ | △ |
※〇=標準装備、△=オプション装備、―=設定なし
※△は「コンビニエンス&アシスタンスパッケージ」のオプションを選択することにより付帯される装備です。
従来モデルでは一部のグレードに標準装備されていた「アダブティブクルーズコントロール」ですが、今回のマイナーチェンジで「コンビニエンス&アシスタントパッケージ」(21万円)に組み入れられて、オプション扱いになってしまいました。
アウディQ2の先進安全装備については、次の記事で詳しくご紹介しています。
アウディQ3の先進安全装備
先進安全装備 | Q3 35 TFSI | Q3 35 TFSI advanced | Q3 35 TFSI S Line | Q3 35 TDI quattro advanced | Q3 35 TDI quattro S line |
アダプティブクルーズコントロール | △ | △ | △ | △ | △ |
アウディサイドアシスト | △ | △ | △ | △ | △ |
アウディパーキングシステム | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
サラウンドビューカメラ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アウディプレセンスフロント | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
エマージェンシーアシスト | △ | △ | △ | △ | △ |
リヤクロストラフィックアシスト | △ | △ | △ | △ | △ |
ハイビームアシスト | △ | △ | △ | △ | △ |
※△は「アシスタンスパッケージ」のオプションを選択することにより付帯される装備です。
「アダプティブクルーズコントロール」や「アウディサイドアシスト」等の先進安全装備が全グレードでオプション設定になっています。
車両本体価格が450万円を超える車ですから、これらの安全装備は標準装備であって欲しかったです。
アウディQ3スポーツバックの先進安全装備
先進安全装備 | Q3 sportback 35 TFSI | Q3 sportback 35 TFSI S line | Q3 sportback 35 TDI quattro S line |
アダプティブクルーズコントロール | △ | △ | △ |
アウディサイドアシスト | △ | △ | △ |
アウディパーキングシステム | 〇 | 〇 | 〇 |
サラウンドビューカメラ | 〇 | 〇 | 〇 |
アウディプレセンスフロント | 〇 | 〇 | 〇 |
エマージェンシーアシスト | △ | △ | △ |
リヤクロストラフィックアシスト | △ | △ | △ |
ハイビームアシスト | △ | △ | △ |
※△は「アシスタンスパッケージ」のオプションを選択することにより付帯される装備です。
こちらも、「アダプティブクルーズコントロール」や「アウディサイドアシスト」等の先進安全装備が全グレードでオプション設定になっています。
これらの装備が標準装備であってこその高級車だと思うのですが。
アウディQ3の先進安全装備については、次の記事で詳しくご紹介しています。
燃費の比較
アウディQ2の燃費
モード | advanced | S line |
WLTCモード | 15.8 | 15.8 |
市街地モード(WLTC-L) | 12.5 | 12.5 |
郊外モード(WLTC-M) | 16.0 | 16.0 |
高速道路モード(WLTC-H) | 17.8 | 17.8 |