2017年1月4日に、アメリカの「FlightStats」(フライトスタッツ)が2016年1月~12月の航空会社定時到着率データに基づく「8th Annual On-time Performance Service Awards」を発表しています。
昨年6月29日の記事で2015年の定時運航率をご紹介しましたが、そのランキングがどのように変わったのか気になったので、2016年の実績についてもチェックしてみました。
今回の記事では、「FlightStats」による2016年の定時運航率ランキングについてご紹介します。
「FlightStats」の定時運航率ランキングについて
今般、2016年の数字が取りまとめられて、「8th Annual On-time Performance Service Awards」が発表されました。
※「FlightStats」では15分以内の遅れであれば「定時」として判定しています。
なお2016年分から、主要国際航空会社部門、アジア・パシフィック主要航空会社部門、北米主要航空会社部門、ヨーロッパ主要航空会社部門、中東・アフリカ主要航空会社部門に関しては、運航会社単体の実績が対象となる「メインライン部門」と、グループ会社の運航便を含めた実績が対象となる「ネットワーク部門」の2部門が設定されています。
過去の数値を見てみると、どうやら2015年まではグループ会社の運航便を含めた実績(ネットワーク部門)だけを表彰の対象としていたようなのですが、航空会社は必ずしもグループ会社の運営管理を行っているとは限らないため、運航会社単体の実績を対象とした「メインライン部門」を設定したようです。
2016年 主要国際航空会社部門 定時到着率ランキング
メインライン部門
2016年の主要国際航空会社「メインライン部門」では、イベリア航空が第1位に輝きました。JALが第2位に、ANAが8位に入っています。
※一定以上の飛行回数と座席数・グローバルネットワーク数を有していて、FlightStatsのデータトラッキング率が85%以上の航空会社が対象となります。
エアライン名 | 定時出発率 | 定時到着率 |
1.イベリア航空(スペイン) | 86.55% | 87.79% |
2.日本航空(日本) | 90.91% | 87.33% |
3.デルタ航空(アメリカ) | 85.93% | 86.69% |
4.KLMオランダ航空(オランダ) | 80.25% | 86.56% |
5.カタール航空(カタール) | 89.43% | 86.34% |
6.オーストリア航空(オーストリア) | 83.77% | 85.69% |
7.シンガポール航空(シンガポール) | 87.73% | 85.46% |
8.全日空(日本) | 86.73% | 85.28% |
9.TAM航空(ブラジル) | 82.73% | 85.07% | 10.カンタス航空(オーストラリア) | 84.93% | 83.91% |
ネットワーク部門
2016年の主要国際航空会社「ネットワーク部門」では、KLMオランダ航空が第1位に輝きました。JALが第3位に、ANAが6位に入っています。
※一定以上の飛行回数と座席数・グローバルネットワーク数を有していて、FlightStatsのデータトラッキング率が85%以上の航空会社が対象となります。
エアライン名 | 定時出発率 | 定時到着率 |
1.KLMオランダ航空(オランダ) | 83.04% | 88.53% |
2.イベリア航空(スペイン) | 87.31% | 88.18% |
3.日本航空(日本) | 90.97% | 87.80% |
4.カタール航空(カタール) | 89.43% | 86.34% |
5.オーストリア航空(オーストリア) | 83.71% | 85.74% |
6.全日空(日本) | 87.36% | 85.54% |
7.シンガポール航空(シンガポール) | 87.73% | 85.45% |
8.デルタ航空(アメリカ) | 85.17% | 85.17% |
9.TAM航空(ブラジル) | 82.73% | 85.07% | 10.カンタス航空(オーストラリア) | 85.37% | 84.30% |
2016年 アジア・パシフィック主要航空会社部門 定時到着率ランキング
メインライン部門
2016年のアジアパシフィック主要国際航空会社「メインライン部門」では、日本航空が第1位、全日空が第4位に入りました。
キャセイパシフィックが、2015年の65%から74%に改善してランキングに入ってきました。
日本の2社、オーストラリアの2社、シンガポール航空、ニュージーランド航空までは定時到着率が80%を超えていますが、それ以外のアジアのエアラインは数字が良くありません。
一覧表にはありませんが、エバー航空73%、チャイナエアライン65%、中国南方航空71%、中国東方航空64%など、台湾・中国の航空会社の定時到着率は、国際的に見てもかなり低い状況です。
※一定以上の飛行回数と座席数を有していて、FlightStatsのデータトラッキング率が90%以上の航空会社が対象となります。
エアライン名 | 定時出発率 | 定時到着率 |
1.日本航空(日本) | 90.91% | 87.33% |
2.ヴァージンオーストラリア(オーストラリア) | 87.28% | 85.82% |
3.シンガポール航空(シンガポール) | 87.73% | 85.46% |
4.全日空(日本) | 86.73% | 85.28% |
5.カンタス航空(オーストラリア) | 84.93% | 83.91% |
6.ニュージーランド航空(ニュージーランド) | 83.09% | 83.40% |
7.ジェットエアウェイズ(インド) | 78.31% | 76.12% |
8.キャセイパシフィック(香港) | 73.27% | 74.62% |
9.ジェットスター航空(オーストラリア) | 73.73% | 74.59% | 10.インディゴ(インド) | 77.51% | 74.22% |
ネットワーク部門
2016年のアジアパシフィック主要国際航空会社「ネットワーク部門」では、日本航空が第1位、全日空が第3位に入りました。
※一定以上の飛行回数と座席数を有していて、FlightStatsのデータトラッキング率が90%以上の航空会社が対象となります。
エアライン名 | 定時出発率 | 定時到着率 |
1.日本航空(日本) | 90.97% | 87.80% |
2.ヴァージンオーストラリア(オーストラリア) | 87.34% | 85.86% |
3.全日空(日本) | 87.36% | 85.54% |
4.シンガポール航空(シンガポール) | 87.73% | 85.46% |
5.カンタス航空(オーストラリア) | 85.37% | 84.30% |
6.ニュージーランド航空(ニュージーランド) | 81.61% | 80.82% |
7.ジェットエアウェイズ(インド) | 78.31% | 76.12% |
8.キャセイパシフィック(香港) | 73.27% | 74.62% |
9.ジェットスター航空(オーストラリア) | 73.80% | 74.37% | 10.インディゴ(インド) | 77.51% | 74.22% |
2016年 北米主要航空会社部門 定時到着率ランキング
2016年北米主要航空会社「メインライン部門」では2015年に続きアラスカ航空がトップです。
デルタ航空が数値を改善させて第2位に入り、ユナイテッド航空も3位に順位を上げました。
※一定以上の飛行回数と座席数を有していて、FlightStatsのデータトラッキング率が90%以上の航空会社が対象となります。
エアライン名 | 定時出発率 | 定時到着率 |
1.アラスカ航空(アメリカ) | 90.18% | 87.51% |
2.デルタ航空(アメリカ) | 85.93% | 86.69% |
3.ユナイテッド航空(アメリカ) | 79.94% | 82.32% |
4.サウスウェスト航空(アメリカ) | 80.71% | 81.89% |
5.ウェストジェット航空(カナダ) | 82.08% | 80.79% |
6.アメリカン航空(アメリカ) | 82.52% | 79.86% |
7.フロンティア航空(アメリカ) | 78.67% | 77.44% |
8.ヴァージンアメリカ(アメリカ) | 78.85% | 77.33% |
9.ジェットブルー航空(アメリカ) | 76.09% | 76.33% | 10.エアカナダ(カナダ) | 78.85% | 74.88% |
ネットワーク部門
2016年北米主要航空会社「ネットワーク部門」でも2015年に続きアラスカ航空がトップです。
※一定以上の飛行回数と座席数を有していて、FlightStatsのデータトラッキング率が90%以上の航空会社が対象となります。
エアライン名 | 定時出発率 | 定時到着率 |
1.アラスカ航空(アメリカ) | 88.91% | 87.00% |
2.デルタ航空(アメリカ) | 85.17% | 85.17% |
3.ウェストジェット航空(カナダ) | 83.78% | 82.73% |
4.サウスウェスト航空(アメリカ) | 80.70% | 81.89% |
5.ユナイテッド航空(アメリカ) | 81.56% | 81.83% |
6.アメリカン航空(アメリカ) | 82.77% | 80.16% |
7.フロンティア航空(アメリカ) | 78.67% | 77.44% |
8.ヴァージンアメリカ(アメリカ) | 78.85% | 77.33% |
9.ジェットブルー航空(アメリカ) | 76.09% | 76.33% | 10.エアカナダ(カナダ) | 81.00% | 76.30% |
2016年 ヨーロッパ主要航空会社部門 定時到着率ランキング
メインライン部門
2016年ヨーロッパ主要航空会社「メインライン部門」ではイベリア航空が1位です。
KLMオランダ航空が2位に入り、オーストリア航空が3位です。
※一定以上の飛行回数と座席数を有していて、FlightStatsのデータトラッキング率が90%以上の航空会社が対象となります。
エアライン名 | 定時出発率 | 定時到着率 |
1.イベリア航空(スペイン) | 86.55% | 87.79% |
2.KLMオランダ航空(オランダ) | 80.25% | 86.56% |
3.オーストリア航空(オーストリア) | 83.77% | 85.69% |
4.S7航空(ロシア) | 82.85% | 83.52% |
5.スカンジナビア航空(北欧3国) | 82.85% | 83.52% |
6.ルフトハンザドイツ航空(ドイツ) | 80.39% | 83.43% |
7.ノルウェーエアシャトル(ノルウェー) | 80.54% | 80.67% |
8.アエロフロートロシア航空(ロシア) | 83.90% | 78.47% |
9.コンドル航空(ドイツ) | 74.78% | 78.92% | 10.スイスインターナショナルエアラインズ(スイス) | 71.14% | 75.68% |
ネットワーク部門
2016年ヨーロッパ主要航空会社「ネットワーク部門」でもイベリア航空が1位です。
2016年主要国際航空会社「ネットワーク部門」では、KLMオランダ航空が第1位に入っていますが、データトラッキング率が89%と90%に達していないので、2016年ヨーロッパ主要航空会社「メインライン部門」では選外になっています。
※一定以上の飛行回数と座席数を有していて、FlightStatsのデータトラッキング率が90%以上の航空会社が対象となります。
エアライン名 | 定時出発率 | 定時到着率 |
1.イベリア航空(スペイン) | 87.31% | 88.18% |
2.オーストリア航空(オーストリア) | 83.71% | 85.74% |
3.ルフトハンザドイツ航空(ドイツ) | 81.12% | 83.77% |
4.S7航空(ロシア) | 79.01% | 82.98% |
5.ノルウェーエアシャトル(ノルウェー) | 80.49% | 80.60% |
6.スイスインターナショナルエアラインズ(スイス) | 73.72% | 77.34% |
7.コンドル航空(ドイツ) | 72.70% | 75.68% |
8.ブリティッシュエアウェイズ(イギリス) | 75.09% | 75.17% |
9.イージージェット(イギリス) | 71.57 | 75.12% | 10.ブエリング航空(スペイン) | 67.45% | 65.35% |
2016年 中東・アフリカ主要航空会社部門 定時到着率ランキング
メインライン部門
2016年中東・アフリカ主要航空会社「メインライン部門」ではカタール航空が第1位です。
データのトラッキング率が2015年の70%から85%に引き上げられたためか、2016年中東・アフリカ主要航空会社「メインライン部門」の順位は8位までしか発表されていません。
※一定以上の飛行回数と座席数を有していて、FlightStatsのデータトラッキング率が85%以上の航空会社が対象となります。
エアライン名 | 定時出発率 | 定時到着率 |
1.カタール航空(カタール) | 89.43% | 86.34% |
2.南アフリカ航空(南アフリカ) | 86.28% | 82.61% |
3.サウディア(サウジアラビア) | 80.99% | 78.92% |
4.エミレーツ航空(UAE) | 75.97% | 78.85% |
5.エチオピア航空(エチオピア) | 74.61% | 71.03% |
6.フライドバイ(UAE) | 70.23% | 69.79% |
7.ケニヤ航空(ケニヤ) | 66.86% | 66.69% | 8.ペガサス航空(トルコ) | 74.48% | 60.87% |
ネットワーク部門
2016年中東・アフリカ主要航空会社「ネットワーク部門」でもカタール航空が第1位です。
データのトラッキング率が2015年の70%から85%に引き上げられたためか、2016年中東・アフリカ主要航空会社「ネットワーク部門」の順位は7位までしか発表されていません。
※一定以上の飛行回数と座席数を有していて、FlightStatsのデータトラッキング率が85%以上の航空会社が対象となります。
エアライン名 | 定時出発率 | 定時到着率 |
1.カタール航空(カタール) | 89.43% | 86.34% |
2.サウディア(サウジアラビア) | 86.28% | 82.61% |
3.エミレーツ航空(UAE) | 75.97% | 78.85% |
4.エチオピア航空(エチオピア) | 74.62% | 71.05% |
5.フライドバイ(UAE) | 70.23% | 69.79% |
6.ケニヤ航空(ケニヤ) | 66.86% | 66.69% |
7.ペガサス航空(トルコ) | 74.48% | 60.87% |
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
各部門・エリアともに、上位にランクされているエアラインには、あまり大きな順位変動は無いようです。
JAL・ANAも2015年に続き、上位にランクされていますね。
この記事がみなさんのお役に立てばうれしいです。
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