「ニッポンの編曲家」はすごい本です。
70年代・80年代にヒットしたJ-POPのアレンジに興味のある人にとっては、まさに待ち望んでいた1冊です。
これまで知りたいと思っていた70年代・80年代J-POPのアレンジに関しては、この本を読むことによってかなり明らかになりました。
この本を企画・h執筆・発行して下さった川瀬康夫、吉田格、梶田昌史、田淵浩久の各氏には、感謝の言葉しかありません。
今回の記事では、70年代・80年代に活躍したアレンジャーやミュージシャン・エンジニアへのインタビュー記事で構成された「ニッポンの編曲家」をご紹介します。
※「ニッポンの編曲家」は、2016年4月にDU BOOKSから刊行されました。
「ニッポンの編曲家」の著者
この本は、川瀬康夫h氏、吉田格氏、梶田昌史氏、田渕浩久氏の共著になっていますが、取材・執筆の中心になっているのは音楽研究家である梶田昌史氏のようです。
田渕浩久は、本書でコラムを執筆していますが、DU BOOKSの編集担当者のようです。
川瀬康夫:東京音楽出版(ホリプロ)、キティ・レコードに在籍した音楽プロデューサー。
吉田格:CBSソニー邦楽ディレクターを経て、現在音楽制作会社Spring Tune Inc.代表。
梶田昌史:1971年生まれ、東京都出身の音楽研究家。
田渕浩久:ディスクユニオン、DU BOOKS編集者。
「ニッポンの編曲家」の構成と内容
「ニッポンの編曲家」第一章では、70年代・80年代に活躍した編曲家へのインタビューが掲載されています。
このインタビューでは、それぞれの編曲家がアレンジを始めた経緯、代表曲や思い入れのある曲、重用したミュージシャンやスタジオでのエピソードなどが語られています。
思わず、そのインタビューに出てくる曲を聴き返さずにはいられないほどに興味深い内容になっています。
- 川口真
- 萩田光雄
- 星勝
- 瀬尾一三
- 若草恵
- 船山基紀
- 井上鑑
- 佐藤準
- 新川博
- 武部聡志
すでに鬼籍に入った編曲家に関しても、生前に親交があった方々へのインタビューが行われています。
- 大谷和夫
- 大村雅朗
「ニッポンの編曲家」第二章では、70年代・80年代に活躍したミュージシャンへのインタビューが掲載されています。
- 矢島賢(ギタリスト)
- 吉川忠英(ギタリスト)
- 島村英二(ドラマー)
- 松武秀樹(シンセサイザー・プログラマー)
すでに鬼籍に入ったミュージシャンに関しても、生前に親交があった方々へのインタビューが行われています。
- 青山純(ドラマー)
「ニッポンの編曲家」第三章では、70年代・80年代に活躍したストリングス・ブラス・コーラスグループの紹介やインタビューが掲載されています。
「ニッポンの編曲家」第四章では、70年代・80年代に活躍した録音エンジニアへのインタビューが掲載されています。
まとめ
「ニッポンの編曲家」のインタビュー記事には、70年代・80年代のJ-POPに関するエピソードが満載で、J-POPファンにはたまらない内容になっています。
また、当時のシングル盤にはほとんど記載されていない「参加ミュージシャン」に関する情報も多く、個人的にはその部分も興味深く読むことができました。
それから、「ニッポンの編曲家」のインタビュー記事には、70年代・80年代にヒットしたいろいろな楽曲名が出てくるので、その都度古いレコード・カセット・CDを探してその曲を聴いてしまいます。
70年代・80年代のJ-POPファンの人にはおすすめの1冊です。