「僕の音楽キャリア全部話します」は、2016年に発行された松任谷正隆さんがご自身について語っている本です。
この本を読むと、松任谷正隆さんがどうしてプロのアレンジャーになったのか、どうやっていつも新鮮な音楽を世に送り出すことができたのかを知ることができます。
また、ユーミンのファンにとっても、ユーミン作品を理解する上でのバイブルとなりうる1冊です。
今回の記事では、松任谷正隆さんの「僕の音楽キャリア全部話します」をご紹介します。
「僕の音楽キャリア全部話します」の著者
この本の著者である松任谷正隆さんについては、ここで改めてご紹介するまでもないでしょう。
70年代・80年代のニューミュージック界を代表する、アレンジャーであり音楽プロデューサーです。
この本の著者は松任谷正隆さんなのですが、本書内では松任谷正隆さんがインタビューに答えるという形で話が展開していきます。
「僕の音楽キャリア全部話します」の構成と内容
冒頭で松任谷由実さんの最新アルバムや最近のご自身のアレンジ手法について語られていますが、第二章以降松任谷正隆さんがどのようにプロのミュージシャンになったのか、どうしてアレンジを職業としたのかについての話が始まります。
その後は、時系列的にアレンジャーとして関わったアーティストや作品についての話が続きます。
特にユーミン作品に関する話が多く、具体的なアルバムや楽曲に関するエピソードが豊富に語られているので、私は楽曲のタイトルが出てくる都度CDで曲を聴きながらこの本を読み進めました。
私はユーミンのオリジナルアルバムはほとんど持っているのですが、これまでは作品として出来上がった楽曲にしか触れてこなかったので、その楽曲が出来上がるまでのエピソードはとても新鮮でどんどん松任谷正隆さんの話に引き込まれていきました。
私はユーミンのアルバムの中では、荒井由実時代の4枚が最もお気に入りなのですが、この本を読むことでその後のユーミンの作品がどのように変わっていったのかも知ることもできました。
また、松任谷正隆さんの作品に関りがあるミュージシャンにも数多く言及されていて、プロのスタジオミュージシャンの方々にとても興味がある私にとっては、うれしい内容になっていました。
もちろん、45年にも及ぶキャリアの中には紆余曲折もあったようですが、それらについても赤裸々に語られていました。
まとめ
この本を読んで強く感じたのは、松任谷正隆さんの音作りに対するこだわりの凄さ。
そして膨大な数の作品を世に送り出しているのに、常に最先端でありたいという姿勢。
この2つが、松任谷正隆さんがアレンジした作品に常に新鮮さを感じた理由のような気がします。
でも、松任谷正隆さんがユーミン作品のアレンジを始めてから45年も経ってしまったのですね。
ユーミンの作品と共に青春時代を歩んできたと言っても過言ではない私たちの世代の人間にとっては、この本はバイブルとなる1冊だと思います。