旅行先で「使える」クレジットカード付帯海外旅行保険を見分ける5つの重要ポイント

海外旅行に行くときには「海外旅行傷害保険が付いているクレジットカードを持っていれば安心だ」と思ってしまいますよね。

でも、実はクレジットカードに付帯している「海外旅行傷害保険」は、その付帯する条件や内容・金額によっては、海外旅行先で実際には全く役に立たない場合もあるので注意が必要なのです。

「傷害死亡保障1,000万円の海外旅行付帯」と書いてあったクレジットカードを持っていたのに、海外旅行先では病院を紹介してもらえないどころか、治療費用も出ない海外旅行傷害保険だったなんてこともあるのです。

私の場合には、クレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険が海外旅行先で役に立つのかどうかを見分けるために、最低でも5つの事柄に注目しています。

そこで、今回の記事では私がクレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険を見分けるために注目している5つのチェックポイントと、その理由についてご紹介したいと思います。



私が注目している5つのチェックポイント

まず最初に、私がクレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険を見分ける場合に、最低でもチェックする5つのポイントについてご紹介します。

  1. 付帯条件は「自動付帯」か「利用付帯」か
  2. 「傷害治療費用」「疾病治療費用」が補償されるかどうか
  3. 「傷害治療費用」「疾病治療費用」の補償金額は十分か
  4. 日本語による24時間救急サポートが受けられるか
  5. 医療費キャッシュレス診療を受けられるか

この5つのポイントは、そのクレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険が海外旅行先で実際に役に立つのかどうかを見分けるために重要な項目になります。

この記事を読んでいただいている方が、海外旅行用に申込もうと考えているクレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険に関しても、この5つのポイントを中心に見ていくと、実際に海外旅行先で使える保険なのかどうかの判断ができます。

それでは、どうしてこ5つのポイントが重要なのかについて説明をしたいと思います。

5つのチェックポイントが重要な理由

それでは、少し長くなるのですが、最初にご紹介をした5つのチェックポイントがなぜ重要なのかについてご説明させていただきます。

付帯条件は「自動付帯」か「利用付帯」か

クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険には「自動付帯」の保険と「利用付帯」の保険の2種類があります。

「自動付帯」の保険とは、そのクレジットカードを所有しているだけで自動的に適用となる保険のことです。

「利用付帯」の保険とは、その海外旅行のツアー代金や航空機などの運賃を、保険が付帯しているクレジットカードで支払った場合にのみ適用となる保険のことです。

「利用付帯」の保険は、うっかりして旅行代金をその保険が付いたカードで支払うことを忘れてしまった場合には適用されません。

また、旅行中に「利用付帯」の保険に関するサービスを受けようとする場合には、ツアー代金や航空運賃の支払いにカードを利用した事実を書面で証明しなければなりません。

海外旅行保険付きのクレジットカードを選ぶのであれば、確実に保険が適用される「自動付帯」の海外旅行保険が付いたクレジットカードが安心なのです。

※具体的に「利用付帯」の海外旅行傷害保険ではどのような事に注意しなければいけないかについては、利用付帯の「楽天カード」の事例を次の記事にまとめていますので、ご参照下さい。

「楽天カード」の海外旅行保険は、カードを持っているだけでは適用されないのをご存じですか?このカードの保険は「利用付帯」といって公共交通機関のやツアーの代金をカードで支払わないと適用されないのです。その仕組みを詳しく解説しています。

「傷害治療費用」「疾病治療費用」が補償されるかどうか

海外旅行傷害保険には「傷害死亡」「傷害後遺障害」など、担保される項目がたくさんあります。

でも、これらの項目の中で最も重要なのは「傷害治療費用」「疾病治療費用」の2つの項目です。

「傷害治療費用」とは、海外旅行中にケガをして医師の治療を受けた時に支払われる保険金のことです。

「疾病治療費用」とは、海外旅行中に病気になり医師の治療を受けた時に支払われる保険金のことです。

損害保険会社のデータによると、実際に海外旅行保険の支払いが発生した事案の半数以上は、この「傷害治療費用」「疾病治療費用」に関連する事故なのです。

例えば、ジェイアイ傷害火災保険のデータによると、2016年度に最も事故件数が多かった項目は「治療・救援費用」で、全体の51.5%にも上ります。

ジェイアイ傷害火災保険のデータはこちら

この項目には「怪我や病気による治療費用」「救急車等の交通費や医療通訳費」「家族が現地にかけつける渡航費用」「日本や第三国への医療搬送費用」などが含まれています。

2番目に多かったのは「携行品損害」で30.9%です。

この項目には、スーツケース・カメラ・スマートフォンなどの手荷物の盗難や破損の補償が含まれています。

3番目は「旅行事故緊急費用」で13.7%です。

この項目には、航空機の遅延や欠航、手荷物が現地に届かない等で負担を余儀なくされた費用(交通費・宿泊費等)の補償が含まれています

【2016年保障項目別事故件数】

順位 項目 割合
1 治療・救援費用 51.5%
2 携行品損害 30.9%
3 旅行事故緊急費用 13.7%
4 旅行中断・キャンセル 1.9%
5 個人賠償責任 1.1%
6 その他 0.9%

このデータによると、上位の3項目だけで全体の支払い件数の96.1%にも達しています。

クレジットカードの中には「傷害死亡1,000万円の海外旅行保険付き」であっても、そのカードの海外旅行保険では「傷害治療費用」「疾病治療費用」が補償されない場合も多々あります。

海外旅行保険の内容でクレジットカードを選ぶのであれば、実際の支払いの半数以上を占める「傷害治療費用」「疾病治療費用」が補償される海外旅行保険が付いたクレジットカードを選ぶことが大切なのです。

「傷害治療費用」「疾病治療費用」の補償金額は十分か

日本と海外では医療事情が異なるため、ちょっとした治療・手術・入院でも高額な医療費を請求される場合が多くなります。

日本損害保険協会ホームページの「損害保険Q&A」に、盲腸(虫垂炎)手術・入院の都市別総費用が掲載されていたのでご紹介します。

この資料によると、ハワイのホノルルでは約256万円、アメリカのロサンゼルスでは約162万円~217万円かかるそうです。

日本損害保険協会ホームページ「損害保険Q&A」はこちら

日本の病院で盲腸(虫垂炎)の手術をして約1週間入院すると医療費は約40万円、保険適用後の負担は3割なので約12万円の出費で済みます。

日本の場合と比較すると、海外の医療費はかなり高額であることがわかると思います。

【盲腸(虫垂炎)手術・入院の都市別総費用】

都市名 総費用 入院日数
ホノルル アメリカ 256万円 2日
ロサンゼルス アメリカ 162万円~217万円 2日
バンクーバー カナダ 111万円~178万円 2日
ロンドン イギリス 130万円~174万円 2日~3日
ウィーン オーストリア 127万円 3日~4日
ローマ イタリア 122万円 4日
アテネ ギリシア 114万円 3日~4日
ゴールドコースト オーストラリア 102万円 2日~3日
マドリード スペイン 101万円 5日~7日
パース オーストラリア 40万円~100万円 3日~4日
パリ フランス 83万円~88万円 3日
メキシコシティ メキシコ 76万円~87万円 5日~6日
シェムリアップ カンボジア 65万円~87万円 3日
バリ インドネシア 86万円 3日
シンガポール シンガポール 15万円~77万円 1日~2日
プノンペン カンボジア 65万円 3日
モスクワ ロシア 53万円~62万円 2日
オークランド ニュージーランド 57万円 3日
リスボン ポルトガル 57万円 5日~6日
イスタンブール トルコ 52万円 4日~5日

だたし、損害保険会社などのデータを見ても旅行するエリアによって医療費に差があり、年齢などによっても病気になる危険性は変わってきます。

保険金額がいくらあれば十分なのかは悩ましい問題ではありますが、万一のことを考えると若年層でも最低で400万円~500万円、シニア層であれば1,000万円以上の準備をした方が良さそうです。

クレジットカード海外旅行傷害保険の「傷害治療費用」「疾病治療費用」補償金額は合算される

クレジットカード海外旅行傷害保険の補償金額には、他のクレジットカード海外旅行傷害保険の保障金額と合算できる項目があります。

(傷害)死亡・後遺障害保険金に関しては、クレジットカードに付帯する最も高い保険金額を上限として支払われるので、他のクレジットカードの保険金額と合算することはできません。

一方、(傷害)死亡・後遺障害保険金以外の項目に関しては、クレジットカード海外旅行傷害保険の補償金額を合算した金額を上限として支払いが行われます。

このことは、日本損害保険協会ホームページの「損害保険Q&A」にも書いてあります。

日本損害保険協会ホームページの「損害保険Q&A」はこちら

つまり、(傷害)死亡・後遺障害保険金以外の項目に関しては、年会費無料の海外旅行傷害保険付きクレジットカードを複数枚持っている場合には、コストをかけずにその保険だけでもある程度の保障金額を確保することができるということです。

同一会社が発行したカードを複数持っている場合の取り扱いは会社により違う可能性がある

同一会社が発行したクレジットカードを複数枚持っている場合には、会社によって同一会社が発行したクレジットカードに付帯する「(傷害)死亡・後遺障害保険金以外の項目以外」の保険金額が合算できるかできないかの見解が違う場合があるようです。

私が各クレジットカード会社のホームページなどを調べた限りでは、明確に同一会社が発行したクレジットカードに付帯する「(傷害)死亡・後遺障害以外」の保険金額が合算できないと記載していたのは「オリコカード」でした。

「オリコカード」の保険金請求手続き案内のページに「オリコカードを複数枚所持していても、適用される保険はいずれか1枚分となります」と明確に記載されています。

オリコカードの案内はこちら

ちなみにオリコカードに付帯している海外旅行傷害保険の引き受け損害保険会社は、損保ジャパン日本興亜です。

一方、年会費が無料なのに海外旅行保険が充実している横浜インビテーションカードなどで有名な「ジャックスカード」では、同一会社でも複数カードの保険を合算できるという見解です。

「ジャックスカード」のホームページには明確な記載はないのですが、「ジャックスカード海外旅行傷害保険デスク」に電話で問い合わせをしたところ、「ジャックスカードに関しては、複数のジャックスカードの保険金額を合算することができる」とのことでした。

ジャックスカードの案内はこちら

ジャックスカードに付帯している海外旅行傷害保険の引き受け損害保険会社は、三井住友海上です。

クレジットカード付帯の海外旅行保険の取り扱いに関しては、カードの発行会社やカード付帯保険を引き受けている損害保険会社が複雑に絡んでいることもあり、一概に言えないようです。

同一会社が発行しているクレジットカードを複数枚保有していたり、これからカードの申し込みを行う場合には、個別に確認して頂く必要がありそうです。

シニア層は高額な費用が必要な場合もある

ジェイアイ傷害火災保険のデータによると、2016年度の「治療・救援費用」の保険金支払いが300万円超の高額医療事故は70件発生しているそうです。

この件数は2010年度の36件から毎年増加しており、いずれの年も300万円超の高額医療事故を世代別で見ると65歳以上のシニア層が約半数を占めています。

2016年度の「治療・救援費用」全体の件数がわからないので何とも言えないのですが、65歳以上のシニア層の人が海外旅行に行く場合には、「傷害治療費用」「疾病治療費用」が1000万円以上や無制限の海外旅行保険に加入しておいたほうが安心かもしれませんね。

ジェイアイ傷害火災保険のデータはこちら

日本語による24時間救急サポートが受けられるか

日本語が通じなくて地理も不案内な海外で急に病気になったり怪我をしてしまったら、自分で病院を探すことなどできませんよね。

そんな時に頼りになるのが、損害保険会社やクレジットカード会社が提供している「日本語による24時間救急サポート」サービスです。

この「日本語による24時間救急サポート」に連絡すると、次のようなサービスを受けることができます。

  • 最寄りの病院の案内・紹介
  • 病人・ケガ人の移送の手配
  • 救援者の渡航手続き・ホテルの手配
  • 保険金の請求方法に関する各種相談、等

損害保険会社が販売していて個人が任意で加入する海外旅行傷害保険の場合には、ほとんどの損害保険会社で「日本語による24時間救急サポート」サービスを提供しています。

クレジットカードに付帯する海外旅行保険でも「日本語による24時間救急サポート」のサービスが広がってきましたが、残念ながら利用できないカードも存在します。

海外で困らないためにも、「日本語による24時間救急サポート」のサービスを受けることができるクレジットカードを選ぶことが大切です。

カード会員資格確認が行われます

海外旅行先で「日本語による24時間救急サポート」を受ける場合には、そのサービスを受けることができる資格を有しているかどうかの確認(カード会員資格確認などとも言います)が行われます。

まず最初に、クレジットカードの番号・氏名・住所・電話番号などでのクレジットカード契約者本人かどうかの確認が行われます。

次に「利用付帯」の海外旅行傷害保険の場合には、カードで「公共交通乗用具」(航空機・鉄道・バスなど)または「募集型企画旅行」(海外旅行ツアー)の料金を支払ったかどうかの確認が行われます。

最後にクレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険の保険期間(上限は3ヵ月間)に該当しているかどうかの確認が行われます。

厳格に対応しているカード会社(損害保険会社)の場合には、口頭での確認だけではなくて、クレジットカードの利用明細やパスポートのコピーなどをメールやFAXで送付しなければならない場合もあるようです。

医療費キャッシュレス診療を受けられるか

海外で医療機関を利用した場合には、原則として利用者が医療機関に医療費を支払い、帰国後に診断書や領収書を添付して保険会社に保険金を請求することになります。

ところが、海外での医療費は高額になるため、現金の持ち合わせがない場合には診療を受けることができない可能性があります。

また、医療機関でクレジットカードが利用できない場合や、医療費がクレジットカードの支払限度額を超えてしまう場合もあります。

そんなこともあり、任意で加入する海外旅行保険やクレジットカードに付帯する海外旅行保険では、保険金額を限度として医療費を保険会社から直接医療機関に支払う「医療費キャッシュレス診療」のサービスを提供している場合があります。

海外旅行中に「医療費キャッシュレス診療」を利用したい場合には、損害保険会社の「日本語による24時間救急サポート」の窓口に電話をして、「医療費キャッシュレス診療」に対応可能な病院を予約してもらうことになります。

ただし、「医療費キャッシュレス診療」を利用できる病院は、損害保険会社と提携している医療機関だけになるので、世界中全ての地域で「医療費キャッシュレス診療」が利用できるわけではありません。

しかし、緊急時に現金の心配をする必要がないので、「医療費キャッシュレス診療」のサービスを受けることができるクレジットカードを選ぶことが大切になります。

任意で加入する海外旅行傷害保険との違いを知ることも重要

以上、5つのチャックポイントについてご説明しましたが、クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険の内容は、どうしても損害保険会社が販売していて個人が任意で加入する海外旅行傷害保険よりも内容は見劣りします。

例えば、次の様な相違点もありますので、渡航目的や渡航期間によっては、クレジットカード付帯の海外旅行保険だけで十分に補償が確保できているかどうかの確認をすることも重要になってきます。

病気での死亡は補償されない

ほとんどのクレジットカード付帯海外旅行傷害保険では、病気での死亡は補償されません。

任意の生命保険にも加入していない等の理由でで病気による死亡保障も準備したい場合には、任意加入の海外旅行傷害保険でカバーする必要があります。

携行品損害の補償には免責金額がある

クレジットカード付帯海外旅行傷害保険の携行品損害の補償に関しては、3千円~5千円の免責金額がある場合が多いようです。(免責ゼロの保険もあります。)

航空機の遅延やキャンセルに関する費用は補償されない

航空機の遅延やキャンセルに関する補償は、プラチナカードなど年会費が高額なクレジットカードにしか付きません。

残念ながら、ほとんんどの手数料が無料のクレジットカード付帯海外旅行傷害保険では、「寄託手荷物遅延」「航空機遅延」「旅行キャンセル」「旅行中断」に関する費用は補償されません。

保険期間は90日までが限度となる

クレジットカード付帯海外旅行保険の保険期間は90日間のものがほとんどです。

90日を超えて海外に滞在する予定の場合には、予め出国前に滞在期間を全てカバーする海外旅行保険に加入する必要があります。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

最近では多くのクレジットカードに海外旅行傷害保険が付帯するようになりましたが、その内容はカードによって様々です。

一方で、年会費が無料でありながら、実用的な海外旅行傷害保険が付帯するクレジットカードも複数発行されています。

そのようなクレジットカードを複数枚保有するだけでも、短期間の海外旅行であれば十分な補償を確保することも可能です。

年会費が無料で充実した「使える」海外旅行保険が付帯したクレジットカードに関しては、次の記事にまとめています。

年会費が無料なのに、海外旅行保険が「自動付帯」で「日本語による24時間救急サポート」と「医療費キャッシュレス診療」が受けられる充実した海外旅行傷害保険が付帯しているクレジットカードを3種類ご紹介しています。

また、このブログで紹介しているクレジットカードに関しては、記事中で必ず5つのチェックポイントに該当しているのかどうかのコメントを載せています。

有名なカードでも、5つの重要ポイントに該当しない場合があるので、その場合にははっきりとコメントをしています。

この記事がみなさんのお役に立てばうれしいです。



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